アリストファネス(英語表記)Aristophanēs

  • Aristphanēs
  • アレクサンドリアの文献学者
  • 古代ギリシャの喜劇詩人

翻訳|Aristophanes

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

[生]前450頃.アテネ
[没]前388頃
ギリシア古喜劇の代表的作者。ペロポネソス戦争の時期に活躍し,喜劇を通じて反戦論を唱え,政治,文化,教育など国家社会の問題を取上げて批判し,個人風刺とパロディー風な表現を自由に行なった。作品 40編中 11編が現存。『アカルナイの人々』 Acharnēs (前 425上演) ,『騎士たち』 Hippēs (前 424) ,『』 Nephelai (前 423) ,『すずめ蜂』 Sphēkes (前 422) ,『平和』 Eirēnē (前 421) ,『』 Ornithes (前 414) ,『リュシストラテ (女の平和) 』 Lȳsistratē (前 411) ,『テスモフォリアの女たち』 Thesmophoriazousai (前 411) ,『』 Batrachoi (前 405) ,『女の議会』 Ekklēsiazousai (前 392/89) ,『福の神』 Plutos (前 388) 。

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百科事典マイペディアの解説

アテナイの喜劇詩人。古代ギリシア,アッティカ古喜劇の代表者。44編あるといわれる作品のうち,11編が現存。活躍期はペロポネソス戦争でアテナイが苦しんだ時代で,終始平和主義に徹した保守主義者であった。毒舌と悲劇の名文句のもじりとわいせつな台詞(せりふ)で鋭い時事風刺を行う。《雲》においてソクラテスを茶化したこと,《蛙》その他におけるエウリピデス批判,《女の平和》の性的ストライキによる奇抜な和平運動は有名である。→ギリシア喜劇
→関連項目ギリシア演劇クレオン

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世界大百科事典 第2版の解説

前445ころ‐前385ころ
古代ギリシア,アッティカ古喜劇の三大作家のひとり。そして,このアッティカ古喜劇という世界の文学史のなかできわめて特異な場所を占める文芸分野の完成者であり,またその死の証人でもある。彼の創作した喜劇は,20歳前の作と伝えられる《宴の人々(ダイタレス)》(前427)から,《福の神(プルトス)》(前388)に至るまで44編に及ぶと伝えられているが,そのうちの11編,すなわち《アカルナイの人々》(前425),《騎士》(前424),《》(前423),《蜂》(前422),《平和》(前421),《》(前414),《女の平和》《テスモフォリアを祝う女たち》(ともに前411),《蛙》(前405),《女の議会》(前392),《福の神》はほぼ完全な形で残っており,そのすべては邦訳によっても読むことができる。

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大辞林 第三版の解説

前445頃~前385頃 古代ギリシャの最大の喜劇作家。四四編中一一編が現存。主に、ペロポンネソス戦争の騒乱の時に活躍し、政治・社会・教育など、当時のアテナイの現実問題を痛烈に風刺した。ソクラテスを風刺した「雲」のほか、「アカルナイの人々」「蜂」「蛙」「女の平和」など。
前257頃~前180頃 アレクサンドリアの文献学者。ホメロス・エウリピデスなどの校訂・編集を行なった。

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旺文社世界史事典 三訂版の解説

前448ごろ〜前380ごろ
古代ギリシア最大の喜劇詩人
アテネ民主政最盛期のペリクレス時代に生まれ,前期の活動はペロポネソス戦争の時代であった。衆愚政治に堕していく民主政を批判し,終始平和論を唱え,作品の中で風刺をした。『アカルナイの人びと』『平和』などがこれに属する。ソフィストへの攻撃も鋭い。アテネの敗北後は時事的関心が薄らいだ。現存作品は『女の議会』『雲』など11編。

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世界大百科事典内のアリストファネスの言及

【女の平和】より

…前411年に上演されたアリストファネス作の喜劇。このころシチリア遠征に失敗したアテナイは,ペロポネソス戦争における主導権をすでに失っており,同年には,内政的にも,400人政権による民主政の破壊,さらにその400人政権の崩壊と激動が続き,アテナイ市民にとっては耐えがたい苦難の年であった。…

【ギリシア演劇】より

…しかし同時代の喜劇詩人エピカルモスは,プロメテウスを大盗人にしたて,人間も何を盗まれるかと戦々恐々としている様を語っている。演劇の神ディオニュソスも,エウリピデスの《バッコスの信女》の中に現れるときは凄惨な密儀宗教をつかさどる恐るべき神であるが,同じとき書かれたアリストファネスの《蛙》の中では,臆病で定見のない一人の演劇評論家にすぎない。神々のみならず伝説的な英雄たち,現実社会の有名人や権力者たちも,喜劇の舞台ではきわめて低俗な欲望の操り人形として容赦なくこきおろされる。…

【ギリシア文学】より

…続いてソフォクレス,エウリピデスらも観客の心眼を,人間の行為と運命を神々の眼からとらえる悲劇芸術の視点にまで高めようとしている。さらに特記すべきはアリストファネスの喜劇であろう。完全な言論の自由を喜劇詩人の特権として容認したアテナイ民主主義の特質も刮目(かつもく)に値する。…

【雲】より

…前423年にアテナイのディオニュシア祭において上演されたアリストファネス作の喜劇。家族の浪費のため借金に苦しんでいるアッティカ郊外の農夫ストレプシアデスは,この借金を返さずに済むようにと,〈負け目の議論を勝たせる法〉を伝授するとのうわさがあるソクラテスの学校へ入学する。…

【鳥】より

…前414年に上演されたアリストファネス作の喜劇。アテナイ人の主人公が,鳥たちをそそのかして雲の中に鳥の国を創らせ,神々に向かって昇ってゆく犠牲の煙を途中で差し押さえさせて,ついに兵糧攻めに参った神々が鳥たちに休戦条約を申し出るという筋立て。…

※「アリストファネス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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