イリジウム(読み)いりじうむ

  • iridium

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

通信衛星を利用した携帯電話のシステム。世界中のどこからでも通話できる。1999年にサービスが開始されたが、高額の使用料やCDMAなどの携帯電話システムが実用化されたことで、2000年3月に事業を停止した。

出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報

デジタル大辞泉の解説

白金族元素の一。単体は銀白色の硬くてもろい金属で、酸に溶けにくい。白金との合金にして理化学器械・電気接点などに使用。元素記号Ir 原子番号77。原子量192.2。
(Iridium)米国イリジウムコミュニケーションズ社が提供する衛星電話サービス。66個の低軌道衛星を協調して運用する衛星コンステレーションにより、地球上のどこからでも通信が可能。1998年にモトローラの子会社イリジウム社によりサービスが始まるも需要が伸びず、2000年にサービス停止。以降、事業主体の変更を経て、2001年にサービス再開。2008年より現社名になった。名称は当初77(イリジウムの原子番号)個の衛星を使う予定だったことにちなむ。イリジウムシステム

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

元素記号はIr。原子番号77,原子量192.217。融点2443℃,沸点4437℃。白金族元素の一つ。1804年S.テナントが発見。ギリシア神話イリスにちなんで命名。単体は銀白色の貴金属。延性に乏しくもろい。空気中で酸化されにくく,酸,アルカリに侵されない。オスミウムとの合金(イリドスミン)は万年筆ペン先に,白金との合金はメートル原器や理化学用器械,電極,接点などに用いられる。白金鉱や金鉱中に微量存在。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

周期表元素記号=Ir 原子番号=77原子量=192.22±3安定核種存在比 191Ir=38.5%,193Ir=61.5%融点=2447℃ 沸点=4527℃比重=22.42(17℃)電子配置=[Xe]4f145d76s2おもな酸化数=I,II,III,IV周期表第VIII族に属する白金族元素の一つ。1804年イギリスのテナントS.Tennantにより白金鉱から発見され,その化合物がいろいろな色調を示すことから,ギリシア語iris()にちなんで命名された。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

白金族元素の一。元素記号 Ir  原子番号77。原子量192.2。銀白色のもろい金属。酸に侵されず粉末は王水おうすいだけに溶ける。各種化学反応の触媒。白金との合金は硬度が高く電極・電気接点などに、オスミウムとの合金は万年筆のペン先に利用する。密度22.61は全元素中最大。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

元素記号 Ir,原子番号 77,原子量 192.217。天然には安定同位体イリジウム 193(存在比 62.7%)と 191(37.3%)が存在する。周期表9族,白金族元素の一つ。単体は銀白の金属で,等軸晶系に属する。比重 22.4,融点 2454℃,沸点約 4800℃。延性に乏しく,もろい。普通 3,4価の陽イオンをつくる。空気中 800℃で酸化し,酸化イリジウム IrO2を生じる。鉱酸,融解水酸化アルカリにおかされず,粉末のみ王水と反応する。白金の硬度を増すため白金に添加される。白金るつぼなど理化学器械の製作に用いられる。1804年 S.テナントが発見。オスミリジウム,イリドスミンが主要鉱石である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

周期表第9族に属し、白金族元素の一つ。1804年イギリスのS・テナントによって発見された。
 その塩類の水溶液が多様な色を呈することから、ギリシア神話の虹(にじ)の女神イリスIrisにちなんで命名された。白金鉱の中に天然合金(イリドスミン)または遊離の形で存在するが、硫化銅や硫化ニッケル鉱石中にも微量含まれる。白金鉱あるいは銅・ニッケル電解精錬時の陽極泥を王水処理したあと、その不溶性残渣(ざんさ)からハロゲノ錯塩として分離される。これを水素気流中で熱すると、次のような反応によって純粋な金属イリジウムが得られる。
[鳥居泰男]

性質

銀白色の金属。硬くてもろく、加工性に乏しい。硬いことと融点が高いことでは白金族中オスミウムに次ぐ。またその比重は実存する物質中もっとも大きい。質量数185から198にわたり多くの放射性同位体が存在する。典型的な貴金属で、塊状のものはすべての酸に不溶で、王水にさえおかされない。粉状にして初めて王水に溶ける。空気中で800℃から酸化し始めるが、高温では酸化物が分解するので、1140℃以上では酸化されない。水酸化アルカリとは融解状態でも反応しないが、融解した二硫酸カリウムや硝酸カリウムには溶ける。赤熱状態でフッ素、塩素と容易に反応する。化合物中では1、3、4その他多くの酸化状態をとる。[鳥居泰男]

用途

純イリジウムは分析用、高温反応用るつぼ、高溶融点ガラスの押し出し用ダイスなど特別の用途がある。主要な需要は白金との合金で、装身具、外科手術用の針、旋回軸、電気接点などに用いられる。メートル原器も10%イリジウム合金である。オスミウムとの合金は万年筆のペン先として普及している。[鳥居泰男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (iridium) 白金族元素の一つ。記号 Ir 原子番号七七。原子量一九二・二。一八〇四年、英国のテナントが発見。銀白色の光沢を有し、融点、硬度ともに高いが、延性が小さくもろい。オスミウムとの合金は万年筆のペン先に、白金との合金はメートル原器、キログラム原器、理科学精密機械などに用いられる。〔舎密開宗(1837‐47)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

化学辞典 第2版の解説

Ir.原子番号77の元素.電子配置[Xe]4f 145d76s2の周期表9族(白金族)貴金属元素.元素名は,イリジウム化合物の多彩な色彩から虹の女神を意味するギリシア語Ιρι(Iris)から命名された.宇田川榕菴は天保8年(1837年)に出版した「舎密開宗」で,意利胄母(イリヂュウム)としている.原子量192.217(3).質量数191(37.3(2)%),193(62.7(2)%)の安定同位体のほか,質量数164~198の放射性同位体が知られている.1804年,S. Tennantが発見.白金鉱中に単体あるいは合金として存在する.
地殻中の存在度0.0001 ppm.ニッケルや銅の製造の際に副産物として得られる.銀白色のもろい金属.融点2410 ℃,沸点約4130 ℃.密度22.67 g cm-3(20 ℃).硬さ6.5.標準電極電位 Ir3+/Ir 1.156 V.第一イオン化エネルギー9.02 eV.酸化数1~4.ロジウム同様耐酸性が大きく,粉末にしないと王水にも溶けない.イリジウム海綿は水素を吸収する.高温では酸化物は揮発性を示す.Irの多い地層は宇宙物質起源のものを含むと考えられている.白金族元素との合金として利用される.オスミウムとの合金イリドスミンは万年筆のペン先に利用されている.石油改質触媒に白金とともに用いられる.半導体結晶生成用のるつぼ材,自動車用点火プラグ材料に用いられる.192Ir は非破壊検査用γ線源.白金との合金はかつてメートル原器に用いられた.[CAS 7439-88-5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

イリジウムの関連情報