グラム陰性菌(読み)グラムインセイキン

百科事典マイペディアの解説

グラム陰性菌【グラムいんせいきん】

グラム染色をした場合,前染色の色素が有機溶媒に溶出し,後染色に用いた色素に染まる菌の総称。細胞壁グラム陽性菌に比べペプチドグリカンの量が少なく,外層リポ多糖からなる。ペニシリンリゾチームに抵抗性が大きいなどの多くの共通点をもつ。腸チフス菌ペスト菌赤痢菌大腸菌コレラ菌淋(りん)菌脳脊髄膜炎菌など。
→関連項目オウバク(黄柏)クロラムフェニコール抗菌スペクトル抗生物質コリスチン細菌酢酸発酵サルファ剤サルモネラ菌腸炎ビブリオテトラサイクリン軟性下疳菌パラチフス菌百日咳菌プロテウス菌緑膿菌霊菌

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大辞林 第三版の解説

グラムいんせいきん【グラム陰性菌】

グラム染色で染まらない細菌の一群。細胞壁は二層で薄い。外層はリポ多糖類を主成分とし、菌が死ぬと遊離して、時に毒性を示す。大腸菌・コレラ菌・淋菌・根粒菌など、約80属が含まれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

グラム陰性菌
ぐらむいんせいきん

グラム染色法によって染色されない細菌のグループをいう。グラム陽性菌に比べて薄層のペプチドグリカン層をもち、エタノール(エチルアルコール)やアセトンなどの有機溶媒で洗浄すると、クリスタル紫(ヨード染色複合体)を保持できないために染色されない。この染色法による類別は、細胞の形状、鞭毛(べんもう)の着生状態といった他の形質とともに分類学上重要なものであり、抗生物質などの薬剤抵抗性などと共通点をもつ場合が多い。代表的な細菌としては、球菌のナイセリアNeisseria、ゲメラGemella、桿菌(かんきん)では腸内細菌群(科)のアエロモナスAeromonas、ビブリオVibrio、プセドモナスPseudomonas、フラボバクテリウムFlavobacterium、アチネトバクターAcinetobacter、モラキシエラMoraxella、アルカリゲネルAlcaligens、ヘモフィルスHaemophilus、ブルセラBrusella、バクテロイデスBacteroidesなどがある。[曽根田正己]

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世界大百科事典内のグラム陰性菌の言及

【細菌】より

…細胞壁の基本的な骨格をつくっているものはペプチドグリカン(糖とアミノ酸が多数結合した網状巨大分子)である。グラム陽性菌は,グラム陰性菌に比べて,より厚いペプチドグリカン層をもっている。 細胞壁の外側に鞭毛をもつ細菌もいる(図2)。…

※「グラム陰性菌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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