出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
マガジンハウスから発行されていた月刊娯楽雑誌。前身の平凡出版は1945年合資会社凡人社として誕生,83年に社名をマガジンハウスと変更した。岩堀喜之助,清水達夫らの手で1945年12月創刊。誌名は1928-29年に同名の雑誌(国民雑誌をうたったが5号で廃刊)を出した平凡社より譲られたもの。48年2月号で判型をA5判からB5判へ大判化。創刊当初もっていた文芸色を払拭して,〈読む雑誌〉から〈見る雑誌〉に変貌,〈歌と映画の娯楽雑誌〉に徹底して以後若い読者層の爆発的人気をよび,53年新年号でついに100万部を突破したが,70年代後半あたりから衰退が目立ち始める。その後発行した姉妹誌《週刊平凡》(1959年5月創刊)とともに芸能誌全盛の一時代を築いたが,女性週刊誌,テレビの芸能ニュースなどを相手の芸能情報合戦に敗れて,1987年秋にそれぞれ廃刊された。
執筆者:海老原 光義
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
二葉亭四迷(しめい)の長編小説。1907年(明治40)10~12月『東京朝日新聞』連載。翌年、文淵堂(ぶんえんどう)・如山堂(じょざんどう)刊。元文士でいまは下級官吏の古屋雪江(ふるやせっこう)が半生を懺悔(ざんげ)する告白体の物語で、彼が愛犬ポチに対して無私の愛をもちえた少年時代から、「空想」を生命とする文学の毒にあてられて堕落し、父の死を契機に「実感」を取り戻して「平凡」な生活に入るまでの過程をいくつかのエピソードをつないで描く。それを通じて二葉亭晩年の人生や文学に対する懐疑が表され、当時流行の自然主義文学が風刺されている。
[十川信介]
『『平凡』(新潮文庫)』
娯楽雑誌。創業者岩堀喜之助(きのすけ)は平凡社社長の下中弥三郎(しもなかやさぶろう)よりこの誌名を譲り受け、1945年(昭和20)10月に凡人社を創立、文芸娯楽雑誌として創刊した。売れ行き不振により48年2月号からB5判の大衆娯楽雑誌に転身。続いて59年5月に『週刊平凡』、64年4月に『平凡パンチ』を創刊。スターを大衆の生活レベルで扱う、スターのタレント化を進め、読む雑誌から見る雑誌へ、そして『平凡パンチ』では読者とともに「する」雑誌をつくりだした。これらは、第二次世界大戦までの『キング』『講談倶楽部(くらぶ)』に代表される「講談社文化」にかわる、戦後の新しい大衆をとらえた「平凡文化」を確立した。54年6月、凡人社を吸収して平凡出版が設立され、『an・an』『クロワッサン』『POPEYE』『BRUTUS』『ダカーポ』などを刊行している。83年10月、マガジンハウスと社名を変更した。『平凡』は月刊、週刊とも、その使命を終えたとして1987年秋に休刊した。
[京谷秀夫]
出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
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