角帽(読み)カクボウ

デジタル大辞泉 「角帽」の意味・読み・例文・類語

かく‐ぼう【角帽】

男子大学生の着用する、上部がひし形の帽子。また、転じて、大学生のこと。
「―は勢いよく立ち上がり」〈白鳥・一発屋〉
[類語]帽子被り物シャッポキャップハットソフト帽かんかん帽麦藁帽子パナマ帽制帽学帽チロリアンハットテンガロンハットトルコ帽正ちゃん帽山高帽子シルクハット中折れ鳥打ち帽鳥打ち帽子ハンチングベレーボンネットビーニー

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精選版 日本国語大辞典 「角帽」の意味・読み・例文・類語

かく‐ぼう【角帽】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 上部が角形をした帽子。おもに大学の学生帽角帽子
    1. [初出の実例]「制服の塵を払ひ角帽の埃をはたいて」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉一〇)
  3. 大学生の俗称。
    1. [初出の実例]「傍聴席には角帽の多く散見せられしもの」(出典:毎日新聞‐明治三七年(1904)一一月四日)

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改訂新版 世界大百科事典 「角帽」の意味・わかりやすい解説

角帽 (かくぼう)

大学生のかぶる帽子。1886年,東京大学が帝国大学と改称し,学生の制服を定めたとき,以前に和田義睦山口鋭之助の2学生が提案して許可され有志がかぶっていた帽子を,制帽として採用した。頂上が四角であるところからこの名がつけられ,明治時代には角帽は帝国大学生の異名であった。欧米の大学の礼装帽を模したといわれるが,前面つばは日本独特のもの。校章は〈大学〉の文字をデザイン化したもので,東京帝国大学以外の帝大もそれに準じ,以降に設立された官立単科大学もほぼ同様であった。また,多くの私立大学も角帽を採用した。
学生服
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「角帽」の意味・わかりやすい解説

角帽
かくぼう

大学生が学帽としてかぶる、上部が平たく四角くて、頭のかぶり口がぴったりしたもの。13世紀以後、男性がかぶり始めたビレッタbirettaとよばれる縁なし帽が、16世紀になって学者や聖職者のかぶる堅い形を整えた帽子となり、角帽のもととなった。オックスフォード大学ケンブリッジ大学では、14世紀以来用いられている。欧米の大学では卒業式など儀式の際に、平たい部分の中央に房飾りのついたものをかぶる。日本では東京大学の前身の大学予備門が制帽として1885年(明治18)ごろ採用したのが始まり。以来、官立・私立の大学の学帽として着用されてきた。この帽子はひさしがついている。また、早稲田(わせだ)大学のように角(かど)がとがった四角い頂部のものもある。最近はしだいにかぶられなくなってきている。

[浦上信子]

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