ド・ゴール(読み)ドゴール

百科事典マイペディア 「ド・ゴール」の意味・わかりやすい解説

ド・ゴール

フランス将軍,政治家。第1次大戦ではペタン参謀総長の幕僚。第2次大戦では1940年のフランス降伏後,ロンドンにのがれて自由フランス運動を指導し,国内のレジスタンス勢力に対独抗戦を呼びかけた。1943年アルジェでフランス国民解放委員会結成。1944年それを改組したフランス共和国臨時政府の首相となる。戦後,帰国するが制憲議会と対立して下野。1958年アルジェリア戦争の危機に政界復帰,第五共和政樹立大統領(1959年―1969年)となった。以後権限を強化して国内反対派を抑え,中国承認など独自の構想により米・ソと対抗してフランスの国際的地位を向上させた。しかし1968年学生による五月革命が起き,いったんは事態の沈静化に成功したかに思われたが,既成政体を維持することはもはやできず,1969年国民投票に敗れて下野。
→関連項目エルゾーグ回想録カサブランカ国立行政学院ジスカール・デスタン新共和国連合スーステル第2次世界大戦第四共和政デタントトレーズフランスフランス国民連合ポンピドゥーマルローマンデス・フランスミッテランラマディエ

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ド・ゴール」の解説

ド・ゴール
Charles André Joseph Marie de Gaulle

1890~1970

フランスの軍人,政治家。第五共和政初代大統領(在任1959~69)。第一次世界大戦に従軍ペタン参謀長の幕僚。第二次世界大戦ではレイノ内閣の陸軍次官。フランス降伏後,ロンドンに自由フランス政府を樹立,対ドイツ抗戦を呼びかけた。解放後,臨時政府主席(在任1944~46)。1946年1月,制憲議会で自己の憲法案がいれられず下野した。58年5月,アルジェリアにおけるコロン右翼分子の反乱で,右翼はド・ゴール復帰を要求,6月国民議会の絶対多数の信任で首相に返り咲く。同年10月国民投票で第五共和政を樹立,大統領選で圧勝して翌年1月大統領に就任。その後,大統領権限を拡張強化し,ド・ゴール派の軍および右翼を押えつつ,アルジェリア戦争を終わらせた。他方核兵器の開発,イギリスのEEC加盟拒否(63年),中国承認(64年)など,旧来の国際関係に対して独自の構想を推進した。65年12月大統領に再選されたが,69年4月に地方行政と上院の改革案が国民投票で否決されて,辞任した。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

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