フリードマン(Georges Philippe Friedmann)(読み)ふりーどまん(英語表記)Georges Philippe Friedmann

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フリードマン(Georges Philippe Friedmann)
ふりーどまん
Georges Philippe Friedmann
(1902―1977)

フランスの社会学者。フランスにおける労働社会学の創設者。高等師範学校(エコール・ノルマル・シュペリュール)卒業。パリ大学教授などを歴任。アメリカで発達した人間関係論を基礎にした産業社会学とは別な視角から人間労働の諸問題に切り込み、その業績は広く国際的に知られ、国際社会学会の会長も務めた。彼の主要なテーマは、産業社会のなかで進行する機械化、自動化や分業深化との関連で人間労働の運命と可能性を追求することに置かれ、労働現場の具体的事実に即した現実的考察とともに、ヒューマニズム立場にたつ文明批評が展開された。労働論だけでなく、のちには都市と農村の問題にも着手し、さらに晩年には余暇研究に精力を注いだ。主著に『工業機械化の人間的問題』(1947)、『人間労働の未来』(1951)、『細分化された労働』(1955)などがある。

[石川晃弘]

『小関藤一郎訳『細分化された労働』(1973・川島書店)』

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