メジャー

百科事典マイペディア 「メジャー」の意味・わかりやすい解説

メジャー

国際的な石油カルテルのこと。形式的にはスタンダード・オイル(ジャージー・スタンダード。後のエクソン),ロイヤル・ダッチ・シェル・グループ,アングロ・ペルシアン(後のブリティッシュ・ペトロリアム)による1928年の,世界市場における現状維持協定,旧オスマン帝国内の石油資源共同開発協定をいう。しかし実質的にはこの協定を基礎に,モービル・オイル,テキサコガルフ・オイル,シェブロンも加えたいわゆる七大国際石油資本(セブン・シスターズ)の世界市場支配体制をいった。このうちガルフ・オイルが1984年シェブロンに買収されるなど,競争が激しく,一方で1970年代には産油国の民族運動(OPEC),有力アウトサイダーの登場,旧ソ連原油の進出などで支配力は徐々に低下した。その対応策の一つとして,1998年にはブリティッシュペトロリアム(BP)がアモコと,エクソンがモービル・オイルとの合併を発表した。これによって新会社エクソン・モービルは売上高2030億ドルの世界最大の石油会社となった。→石油産業
→関連項目原油取引民族資本ロイヤル・ダッチ・ペトロリアム[会社]

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

精選版 日本国語大辞典 「メジャー」の意味・読み・例文・類語

メジャー

〘名〙
[一] (major)⸨メージャー
① (形動) 大きな。一流の。また、一流の人や企業。⇔マイナー
[二] (Majors)⸨メージャー⸩ 国際石油資本。石油の探鉱・開発から輸送・精製・販売まで一貫操業する国際的石油会社で、第二次世界大戦後、世界の石油供給の大部分を独占してきた、アメリカ・イギリス系などの巨大石油企業をいう。
※現代経済を考える(1973)〈伊東光晴〉I「『メジャー』(Majors)とよばれている二〇の主要会社の占める割合は原油処理量で八四%」

メジャー

〘名〙 (measure)⸨メージャー・メジュアー⸩
① 計量すること。また、その数量。尺度。〔外来語辞典(1914)〕
② ものさし。特に小型の巻尺。また、それで測る寸法。
※外燈(1952)〈永井龍男〉魚の家「その店で、メージャーを取る」
③ ものをはかる基準。尺度。
※現代経済を考える(1973)〈伊東光晴〉V「利子のない社会━利子率というメジャーが存在しない経済はちがう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「メジャー」の意味・読み・例文・類語

メジャー(major)

[名・形動]
規模の大きなこと。主要な位置を占めること。また、そのさまや、そのもの。「メジャーレーベル」⇔マイナー
広く知られているさま。有名なさま。「メジャーな曲」⇔マイナー
音楽で、長調長音階メイジャー。⇔マイナー
(the majors)メジャーリーグのこと。→マイナー4
大学の専攻科目。主専攻科目。メイジャー。→ダブルメジャー
(the Majors)国際石油資本。世界的規模で支配力をもつ米国系・英国系などの巨大石油企業。メイジャー。

メジャー(measure)

計量。測定。「メジャースプーン」
物差し。巻き尺。
基準。尺度。
[類語]物差し差し曲尺かねじゃく矩差かねざし差し金鯨尺鯨差し巻き尺

メジャー(John Major)

メージャー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「メジャー」の解説

メジャー

日本のテレビアニメ。放映はNHK。2004年11月~2010年9月まで全6期が断続的に放映。原作:満田拓也による漫画作品『MAJOR』。制作:スタジオ雲雀(2007年放映の第3期まで)、SynergySP(2008年放映の第4期以降)。声の出演:くまいとこ、森久保祥太郎ほか。野球少年の成長と、メジャーリーグでの活躍までを描く。2008年に劇場版が公開。

メジャー

アメリカ第46代大統領、ジョー・バイデンの飼い犬。犬種はジャーマンシェパード。ホワイトハウス初の保護施設出身の犬として知られる。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典 第2版 「メジャー」の意味・わかりやすい解説

メジャー【majors】

メジャー(メジャーズともいう)とは国際石油会社international major oil companyないし国際石油資本を指し,かつては,7社あったことから〈セブン・シスターズ〉と呼ばれていた。現在ではエクソン社,モービル社,テキサコ社,シェブロン社(以上アメリカ系資本),ブリティッシュ・ペトロリアム社(イギリス系資本),ロイヤル・ダッチシェル社(イギリス,オランダ系資本,ロイヤル・ダッチ・シェル・グループ)の6社をいう(1997)。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内のメジャーの言及

【エクソン[会社]】より

…〈エッソESSO〉(Standard Oilの頭文字SOをもじって命名)の商標で知られる。原油生産および処理量,石油製品および天然ガス販売量,売上高および利益額のすべてにおいて石油メジャーの首位を占めるばかりでなく,世界最大の事業会社であり,かつ,100を超える国々で石油事業を営む典型的な多国籍企業の一つである。エクソンは,ジャージー・スタンダードStandard Oil Co.(New Jersey)が1971年社名変更したものであるが,カリフォルニア・スタンダード(スタンダード・オイル・オブ・カリフォルニア),インディアナ・スタンダード,オハイオ・スタンダード等の諸社もあり,これらはかつてはスタンダード・オイル・グループにあったものである。…

【石油産業】より

…以下ジャージー・スタンダードと略),スタンダード・オイル・オブ・カリフォルニア社(現,シェブロン社。以下カリフォルニア・スタンダードと略),スタンダード・オイル・オブ・ニューヨーク社(現,モービル社)が含まれており,いわゆるアメリカのメジャーの形がととのった。
[需要の拡大過程]
 こうした石油産業の発展を支えたのが,石油需要の拡大である。…

※「メジャー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

ボソン

ボース統計に従う粒子。ボース粒子ともいう。スピンが整数の素粒子や複合粒子はボソンであり,光子,すべての中間子,および偶数個の核子からなる原子核などがその例である。またフォノンやプラズモンのような準粒子...

ボソンの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android