ロッシェル塩(読み)ロッシェルエン

百科事典マイペディアの解説

ロッシェル塩【ロッシェルえん】

化学式はKNaC4H4O6・4H2O。酒石酸ナトリウムカリウムの4水和物。セニエット塩とも。無色の結晶。比重1.773,70〜80℃で結晶水に溶ける。水に可溶。200℃で分解。味わうと清涼感がある。単結晶は異常に強い圧電気効果と,大きい誘電率をもつため,発振器,圧電素子としてピックアップ,マイクロホン,受話器などに用いられる。またフェーリング液の主成分であり,医薬品,食品工業などにも用いられる。工業的には酒石酸水素カリウムと炭酸ナトリウム水溶液からつくる。
→関連項目圧電気マイクロホン

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世界大百科事典 第2版の解説

ロッシェルえん【ロッシェル塩 Rochelle salt】

酒石酸ナトリウムカリウムC4H4O6KNaの立体異性体の一つであるL‐酒石酸ナトリウムカリウムの別名。ほかにR酒石酸塩,メソ酒石酸塩もある。無色の結晶。約55℃で融解してカリウム塩とナトリウム塩に分離する。ロッシェル塩は1655年ころ,フランスの港町ラ・ロシェルの薬剤師セニエットÉlie Seignette(1632‐98)によって初めて調製された。当時利尿剤,緩下剤として広く用いられていた酒石(L‐酒石酸水素カリウム)より水に対する溶解度が大きかったため,〈セル・ポリクレステ(長所に富んだ塩)〉という名称で販売されると直ちに広く普及した。

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大辞林 第三版の解説

ロッシェルえん【ロッシェル塩】

〔フランスの地名 La Rochelle から〕
L -酒石酸ナトリウム-カリウムの別名。化学式 KNaC4H4O6 水によく溶け、四分子の結晶水をもつ大形の結晶が得られる。強誘電体で圧電率が著しく大。ピック-アップなどの圧電素子のほか、フェーリング液や鍍金めつき液の製造、下剤・利尿剤にも用いる。ロシェル塩。 → 酒石酸しゆせきさん

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