(読み)キュウ

デジタル大辞泉 「久」の意味・読み・例文・類語

きゅう【久】[漢字項目]

[音]キュウ(キウ)(漢) (呉) [訓]ひさしい
学習漢字]5年
〈キュウ〉時間長いひさしい。「久闊きゅうかつ永久恒久持久耐久長久悠久
〈ク〉に同じ。「久遠くおん
[名のり]つね・なが・ひこ・ひさ・ひさし
難読永久とこしえ・とこしなえ

ひさ【久】

[形動ナリ]時を長く経るさま。長く続くさま。
いもが袖別れて―になりぬれど一日ひとひも妹を忘れて思へや」〈・三六〇四〉

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精選版 日本国語大辞典 「久」の意味・読み・例文・類語

ひさ【久】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 時間の長いこと。同じ状態が長く続くこと。
    1. [初出の実例]「なかなかに死なば安けむ君が目を見ず比佐(ヒサ)ならばすべなかるべし」(出典万葉集(8C後)一七・三九三四)

ひささ【久】

  1. 〘 名詞 〙 長い間。久しさ。→いくひささ

久の補助注記

「ひさひさ」の変化したものか。また、「ひさし」のク活用接尾語「さ」の付いたものとする説もある。


きゅうキウ【久】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「きゅうすけ(久助)」の略 ) 江戸時代、新吉原隠語で、あつかましい者、愚か者をいう。〔洒落本・取組手鑑(1793)〕

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普及版 字通 「久」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 3画

[字音] キュウ(キウ)・ク
[字訓] ひさしい

[説文解字]

[字形] 象形
屍体を後ろから木で支えている形。〔説文〕五下に「後より之れを灸す。人の兩脛の後にるに象るなり」とし、後ろにものを詰める意とする。〔儀礼、士喪礼〕に「木桁(きげた)もて之れを久す」というように、木桁で支えることもあり、久とはその象であろう。これを櫃中に収めるときには・柩という。匚(けい)部十二下に「柩は棺なり」とあり、棺とは屍を綰(つつ)んで納める意である。籀文(ちゆうぶん)の字形に作る。久・(旧)は声義近く、通用する。久は屍を支える形、は鳥の足をいで係留する意で、ともに久遠の意において通ずる。久を久遠とするのは、死者の象である眞(真)を、永遠に実在するものの意に転化するのと、相似た思弁の結果である。

[訓義]
1. ささえる、ものをつめる、ふさぐ、おおう。
2. ひさしい、ひさしくする、とどまる。
3. おくれる、まつ。

[古辞書の訓]
名義抄〕久 ヒサシ/經久 ヤヤヒサシ 〔字鏡集〕久 ヒサシ・ナガシ・トホシ

[声系]
〔説文〕に久声として玖・・灸・柩・など七字を収める。はもと久声の字ではない。はまた疚に作り、「なり」と訓し、人を喪った憂患をいう。

[語系]
久kiugiuは声近く、久遠の義がある。ゆえに柩をまたに作る。韭kiuは永生の菜とされるもので、またその声が近い。

[熟語]
久愛・久安・久違・久逸久佚・久陰・久雨・久役・久延久淹久怨・久遠・久仮・久懐久闊久旱・久客・久久・久許・久計・久故久錮久交・久拘・久困久疾久寿・久習・久住・久宿・久醸・久世・久生・久滞・久知・久駐・久長・久伝・久徳・久念・久廃・久病・久墳・久聞・久別・久約・久游・久游・久要・久留・久例・久齢・久之
[下接語]
永久・延久・淹久・恒久・曠久・歳久・持久・守久・少久・積久・耐久・遅久・長久・弥久・悠久・良久

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