亀山八幡宮(読み)かめやまはちまんぐう

精選版 日本国語大辞典 「亀山八幡宮」の意味・読み・例文・類語

かめやま‐はちまんぐう【亀山八幡宮】

  1. 山口県下関市中之町にある神社。旧県社。応神天皇神功皇后仲哀天皇ほか二柱をまつる。貞観元年(八五九)豊前国宇佐八幡宮勧請(かんじょう)。下関総鎮守。亀山さま。

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日本歴史地名大系 「亀山八幡宮」の解説

亀山八幡宮
かめやまはちまんぐう

[現在地名]関市中之町

紅石べにいし山の南西の小高い丘で関門かんもん海峡を眼下に望む地に鎮座祭神は応神天皇・神功皇后・仲哀天皇・仁徳天皇武内宿禰。旧県社。

「豊府志略」に「当社は人王五十六代清和天皇の御宇、貞観元己卯年釈行教和尚に勅して宇佐八幡宮を山城国男山の峰に勧請の時、当津旅泊の夜新なる神託有て瑞光四方を照す、行教和尚奇瑞に驚き里人を催し当所に於て行宮を建立し神託にまかせ勧請し奉る」とある。

赤間関の産土神として、民間の信仰はもちろん室町時代の遣明船も出発に際して太刀を奉納して航海の安全を祈願したり(入明諸要例)、また領主大内氏・毛利氏の崇敬も厚く、明応八年(一四九九)、大永七年(一五二七)、天文二〇年(一五五一)、天正三年(一五七五)と造営されている。

大内義興は永正三年(一五〇六)二月一〇日、安中正堂を朝鮮に派遣し、亀山八幡宮が朽廃しているので再興の修理費の援助を求めたこともある(続善隣国宝記)


亀山八幡宮
かめやまはちまんぐう

[現在地名]池田町池田

浜村はまむらの集落中心部にあり、正しくは宝亀山ほうきざん八幡神社という。古来池田郷の郷鎮守で、池田八幡とも称する。祭神は品陀和気命・息長帯比売命・中津比売命。旧郷社。社伝では延長四年(九二六)山城石清水いわしみず八幡宮から勧請したというが、おそらく鎌倉時代の創建とみられる。池田庄地頭須佐美紀伊守が尊崇したと伝える(池田町誌)


亀山八幡宮
かめやまはちまんぐう

[現在地名]佐世保市八幡町

西方さいほう寺の北に鎮座。古くは亀山八幡大神宮と称した。旧県社。祭神は応神天皇・仲哀天皇・神功皇后・仁徳天皇・保食神。白鳳期に西海鎮護の神託を得て豊前宇佐宮の分霊を勧請、赤崎あかさき(古くは前岳)に祀ったのが始まりという。弘仁一四年(八二三)頃勅命で木像の神体を安置したと伝える。文永元年(一二六四)亀山の現在地に移し、松浦家から社領三〇石を付され、亀山八幡大神宮と号したという。戦国期は松浦氏の勢力下で、天正元年(一五七三)佐世保城主遠藤氏による宝殿の建立があったとされる。文禄・慶長の役では平戸の松浦鎮信が戦勝祈願のために参拝、太刀を奉納するとともに社領三〇石余を寄進したという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「亀山八幡宮」の意味・わかりやすい解説

亀山八幡宮(山口県)
かめやまはちまんぐう

山口県下関(しものせき)市中之町(なかのちょう)に鎮座。祭神は応神(おうじん)天皇、神功(じんぐう)皇后、仲哀(ちゅうあい)天皇で、仁徳(にんとく)天皇、武内宿禰命(たけしうちのすくねのみこと)を配祀(はいし)する。当宮は859年(貞観1)、宇佐神宮を山城(やましろ)国(京都府)男山(石清水(いわしみず))に勧請(かんじょう)する途次の行宮(あんぐう)跡地に八幡大神(はちまんおおかみ)を祀(まつ)ったのが創建とされる。以来、大内氏、毛利氏歴代領主の崇敬も厚く、下関の総鎮守として庶民の信仰を集めている。旧県社。例祭は10月中旬に行われ、亀山能とよばれる神事能が奉納される。7月30日には「関の提灯祭(ちょうちんまつり)」と称する神幸が行われる。

[阪本是丸]


亀山八幡宮(長崎県)
かめやまはちまんぐう

長崎県佐世保(させぼ)市八幡町に鎮座。応神(おうじん)天皇、仲哀(ちゅうあい)天皇、神功(じんぐう)皇后、仁徳(にんとく)天皇、保食神(うけもちのかみ)を祀(まつ)る。旧平戸(ひらど)藩主松浦(まつら)家の旧記によれば、天武(てんむ)天皇の白鳳(はくほう)4年(675)8月15日、赤崎岳に宇佐八幡の神霊が西海鎮護のために顕(あらわ)れるという神託があったので、宇佐八幡宮に詣(もう)で分霊を奉斎したのが当社の創建という。1932年(昭和7)12月、県社に列した。1960年(昭和35)6月、亀山八幡神社を亀山八幡宮と改称。秋祭は11月1~3日。「佐世保くんち」として有名。

[落合偉洲]

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