人悪(読み)ヒトワル

デジタル大辞泉 「人悪」の意味・読み・例文・類語

ひと‐わる【人悪】

[名・形動]性質悪いこと。たちの悪いこと。また、そのさまや、そのような人。
「―な嬢様じょうさんの」〈緑雨・門三味線〉
[類語]人悪い人が悪いさがない陋劣ろうれつ狡猾こうかつよこしま腹黒い腹汚い悪賢いずる賢い小賢しいずるいこすいこすっからいあくどいさかしいさかしら老獪口さがない悪たれ悪たれる意地悪い意地悪邪慳突っ慳貪けんけんつんけんとげとげしいつんつん素気無すげなそっけないつれないよそよそしいにべないけんもほろろ冷たい気がないぎすぎすぶっきらぼう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「人悪」の意味・読み・例文・類語

ひと‐わろ・し【人悪】

〘形ク〙
他人に対して体裁が悪い。外聞が悪い。みっともない。ひとわるい。
落窪(10C後)一「さてもえあるまじかりければなむ。人しれず人わろく」
※苔の衣(1271頃)三「人わろく御なみだのこぼるるを」
② 恥ずかしい。てれくさい。きまりが悪い。
古今著聞集(1254)八「車の音はるかにきこえしかば、〈略〉いよいよ心まよひせられて、人わろき程にいそぎのられぬ」
ひとわろ‐げ
〘形動〙
ひとわろ‐さ
〘名〙

ひと‐わる・い【人悪】

〘形口〙 ひとわる・し 〘形ク〙
源氏(1001‐14頃)帚木「人わるくはしたなかりける御物語かな」
② 性質などがひねくれている。
※玉塵抄(1563)三「熊が䟽を上て裴がかんきょくに侫邪に人わるいことをまうしたぞ」
ひとわる‐げ
〘形動〙
ひとわる‐さ
〘名〙

ひと‐わる【人悪】

〘名〙 (形動) 人が悪いこと。性質の悪いこと。また、そのさま。
洒落本・廓宇久為寿(1818)後「床のうへに大安坐(おおあぐら)(しろ)煙管を、ヤニサにかまへて、人悪(ヒトワル)の太平らく」

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