賢しら(読み)サカシラ

デジタル大辞泉 「賢しら」の意味・読み・例文・類語

さかし‐ら【▽賢しら】

[名・形動]《「ら」は接尾語》
1 利口そうに振る舞うこと。物知りぶること。また、そのさま。かしこだて。「賢しらをする」「賢しらに口を出す」
2 自ら進んですること。また、そのさま。
「大君のつかはさなくに―に行きし荒雄あらをら沖に袖ふる」〈万・三八六〇〉
3 よけいな世話を焼くこと。出しゃばること。おせっかい。
「―する親ありて…この女をほかへ追ひやらむとす」〈伊勢・四〇〉
4 さし出口をきくこと。讒言ざんげん。
「この御堂の北南に移り住めば、ある―する者出で来て」〈栄花・玉の台〉
[類語]ずるい・こすい・こすっからい・あくどい・狡猾・ずる賢い・小賢しい・賢しい・悪賢い・老獪・海千山千・抜け目が無い・要領がいい・悪い・悪辣・奸悪・邪悪・奸佞・陰険・性悪・悪性・俗悪・凶悪・極悪・悪・罪悪・悪徳・背徳・悪行・悪事・悪逆・巨悪・諸悪・暴悪・卑劣・陋劣ろうれつ・邪よこしま・さがない・腹黒い・腹汚い・悪賢い・人悪い・人が悪い・人悪・口さがない・悪たれ・悪たれる・意地悪い・意地悪・邪慳・突っ慳貪・けんけん・つんけん・とげとげしい・つんつん・素気無すげない・そっけない・つれない・よそよそしい・にべない・けんもほろろ・冷たい・気がない・ぎすぎす・ぶっきらぼう

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精選版 日本国語大辞典 「賢しら」の意味・読み・例文・類語

さかし‐ら【賢ら】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ら」は接尾語 )
  2. [ 一 ] ( 形動 ) 賢人らしくふるまうこと。利口そうにふるまうさま。気丈がるさま。もの知りぶるさま。
    1. [初出の実例]「あなみにく賢良(さかしラ)をすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似る」(出典:万葉集(8C後)三・三四四)
    2. 「さかしらにかきまぎらはしつつおぼつかなきこともおほかりけり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)朝顔)
  3. [ 二 ] さし出ること。また、そのさま。
    1. ① ( 形動 ) 自ら進んですること。また、そのさま。
      1. [初出の実例]「大君の遣(つかは)さなくに情進爾(さかしらニ)行きし荒雄ら沖に袖振る」(出典:万葉集(8C後)一六・三八六〇)
    2. ② ( 形動 ) でしゃばること。また、そのさま。お節介。
      1. [初出の実例]「さかしらする親ありて」(出典:伊勢物語(10C前)四〇)
      2. 「翁どもにさかしらせさせてしのびやかにとかへすがへすのたまひて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅梅)
    3. ③ ( ━する ) さし出口をきくこと。讒言すること。
      1. [初出の実例]「ちかき隣にこころばへ知れる人、いづるにあはせてかく言へり。藻塩やくけぶりの空にたちぬるはふすべやしつるくゆるおもひに など、隣さかしらするまでふすべかはして」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
      2. 「さかしらする人をば、かくぞする。やすきことは、ひとへに罪重くいひなして、悲しきめを見せしかば、其答に、あぶりころさんずるぞ」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一二)

賢しらの派生語

さかしら‐が・る
  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙

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