狡い(読み)コスイ

デジタル大辞泉 「狡い」の意味・読み・例文・類語

こす・い【×狡い】

[形][文]こす・し[ク]
人を欺いて自分に有利に立ち回るさま。悪賢い。狡猾こうかつである。ずるい。「―・いやり方」
けちだ。
「年のくれ互ひに―・き銭づかひ/野坡」〈炭俵
[派生]こすさ[名]
[類語](1ずるいこすっからいあくどい狡猾ずる賢い小賢しい賢しい賢しら悪賢い老獪海千山千抜け目が無い要領がいい悪い悪辣奸悪邪悪奸佞陰険性悪悪性俗悪凶悪極悪罪悪悪徳背徳悪行悪事悪逆巨悪諸悪暴悪卑劣陋劣ろうれつよこしまさがない腹黒い腹汚い悪賢い人悪い人が悪い人悪口さがない悪たれ悪たれる意地悪い意地悪邪慳突っ慳貪けんけんつんけんとげとげしいつんつん素気無すげなそっけないつれないよそよそしいにべないけんもほろろ冷たい気がないぎすぎすぶっきらぼう/(2貧乏臭い貧乏たらしいけち吝嗇りんしょくしみったれしわい渋いしょっぱい細かいみみっちいいじましいさもしい卑しいせこい陋劣ろうれつけちけちけち臭い世知辛い安っぽい安手ちゃちみすぼらしいぼろい貧相貧弱むさくるしい所帯染みる

ずる・い【×狡い】

[形][文]ずる・し[ク]自分の利益を得たりするために、要領よく振る舞うさま。また、そういう性質であるさま。悪賢い。こすい。「―・いやり方」「―・く立ち回る」
[補説]近年では俗に、要領のよさをうらやむ気持ちや、かえって感心する気持ちなどから、非難の意をこめない使い方もみられる。
[派生]ずるさ[名]
[類語]こすいこすっからいあくどい狡猾ずる賢い小賢しい賢しい賢しら悪賢い老獪海千山千抜け目が無い要領がいい悪い悪辣奸悪邪悪奸佞陰険性悪悪性俗悪凶悪極悪罪悪悪徳背徳悪行悪事悪逆巨悪諸悪暴悪卑劣陋劣ろうれつよこしまさがない腹黒い腹汚い悪賢い人悪い人が悪い人悪口さがない悪たれ悪たれる意地悪い意地悪邪慳突っ慳貪けんけんつんけんとげとげしいつんつん素気無すげなそっけないつれないよそよそしいにべないけんもほろろ冷たい気がないぎすぎすぶっきらぼう

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精選版 日本国語大辞典 「狡い」の意味・読み・例文・類語

ずる・い【狡】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]ずる・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 当然するべきことをなまけたり、自分の利益を得たりするためにうまく立ち回る性質である。悪賢い。横着だ。こすい。狡猾である。
    1. [初出の実例]「武毅はずるうなき也」(出典:大学垂加先生講義(1679))
    2. 「なんだか険のんぢゃアないか。君も中々ずるくなったネ」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二)
  3. しまりがない。ふしだらである。身持が悪い。淫乱である。
    1. [初出の実例]「ずるひ下女しかられながら二ふくのみ」(出典:雑俳・川柳評万句合‐明和元(1764)鶴三)
  4. むごたらしい。残酷である。
    1. [初出の実例]「是れより老母をずるく殺し、止めを刺す」(出典:歌舞伎・千代始音頭瀬渡(1785)序幕)

狡いの派生語

ずる‐さ
  1. 〘 名詞 〙

こす・い【狡】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]こす・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 体裁よく人をだまして、ひそかに自分の利益をはかるさま。ずるい。狡猾(こうかつ)である。
    1. [初出の実例]「をのれはこすひ事をしおる」(出典:虎明本狂言・馬口労(室町末‐近世初))
  3. けちである。欲が深い。
    1. [初出の実例]「遠路を尋来た路銭の程を計て還せと云がこすき羊だぞ」(出典:三百則抄(1662)七)

狡いの派生語

こす‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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