つんつん

精選版 日本国語大辞典 「つんつん」の意味・読み・例文・類語

つん‐つん

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
勢いよくはねあがるさまを表わす語。
※今物語(1239頃)「いとどおそろしくて、つんつんとかみへをどりたるが、其後はもとの心になりて」
② とりすまして、あいそのないさま、不機嫌でぶあいそうなさまを表わす語。つんけん。つんと。
※滑稽本・狂言田舎操(1811)下「又つんつんしるか、かほよ御前どの」
③ とりすまして勢いよく行動するさまを表わす語。
人情本・英対暖語(1838)初「娘も所為(わざ)とすねて遠くへはなれ、つんつんと歩行(あるく)
④ 強烈な物の匂いが、つきさすように鼻を刺激するさまを表わす語。つんと。
※土(1910)〈長塚節〉一四「粉鼻(こなはな)の方さへえって、鼻つんつんして仕やうありゃしねえや」
三味線をつまびく音を表わす語。
※いろは交友録(1953)〈徳川夢声〉と「もっぱら三味線だけをペンペン、ツンツン弾いて」
⑥ とがったものがいくつも突き出ているさまを表わす語。
※地を潤すもの(1976)〈曾野綾子〉五「角をつんつんつき出したような屋根
[2] 〘形動〙 とりすましていてぶあいそうなさま。
浄瑠璃いろは蔵三組盃(1773)八「仮にもお客につんつんな床あしらひは嗜み事」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「つんつん」の意味・読み・例文・類語

つん‐つん

[副](スル)
無愛想にとりすましているさま。「つんつんしていてろくに返事もしない」
においが強く鼻を刺激するさま。「消毒液のにおいがつんつんする」
先端が勢いよく伸びているさま。また、とがったものがいくつも突き出ているさま。「つんつん(と)伸びる茎」「髪の毛つんつん(と)立てた若者
何度も軽く突いたり、軽く引っ張ったりするさま。「魚がつんつん(と)餌をつつく」
[類語]けんけんつんけんとげとげしいつっけんどんぷいとむしゃくしゃかんかんぷりぷりぷんぷんかちんかっかかりかりかっとぷんとつんと意地悪邪慳素気無すげなそっけないつれないよそよそしいにべないけんもほろろ冷たい気がないぎすぎすぶっきらぼうむげに意地悪い・取り付く島も無い・ないがしろ白い目で見るかろんずる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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