つれない(読み)ツレナイ

デジタル大辞泉 「つれない」の意味・読み・例文・類語

つれ‐な・い

[形][文]つれな・し[ク]
1 思いやりがない。薄情である。冷淡である。「―・い態度」「―・い仕打ち」
2 そしらぬふりをするさま。よそよそしい。
「白露の上は―・く置きゐつつ萩の下葉の色をこそ見れ」〈後撰・秋中〉
3 思うにまかせない。
「かかる御消息にて見たてまつる、返す返す―・き命にも侍るかな」〈源・桐壺〉
4 何事もない。なんの変化もない。
「岩間より生ふるみるめし―・くは潮干潮満ちかひもありなむ」〈伊勢・七五〉
5 鈍感である。厚顔無恥である。
「恥ある者は討ち死にし、―・き者は落ちぞ行く」〈平家・八〉
[派生]つれなげ[形動]つれなさ[名]
[類語](1)(2)けんけん・つんけん・つんつん・意地悪・邪慳じゃけん・そっけない・すげない・よそよそしい・にべない・けんもほろろ・冷たい・気がない・刺刺とげとげしい・取り付く島も無い・ぎすぎす・ぶっきらぼう・つっけんどん・むげに・ぷいと・むしゃくしゃ・かんかん・ぷりぷり・ぷんぷん・かちん・かっか・かりかり・かっと・ぷんと・つんと・意地悪い・ないがしろ・白い目で見る・軽かろんずる

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精選版 日本国語大辞典 「つれない」の意味・読み・例文・類語

つれ‐な・い

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]つれな・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. ① 表面何事もなげである。表面に出さない。そしらぬふうである。つれもなし。
    1. [初出の実例]「秋の田の穂向の寄れる片寄りに吾は物思ふ都礼無(ツレなき)ものを」(出典:万葉集(8C後)一〇・二二四七)
  3. ② 人の心をくもうともせず、ひややかである。情け知らずだ。無情だ。つれもなし。
    1. [初出の実例]「風ふけば峯にわかるる白雲のたえてつれなき君が心か〈壬生忠岑〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋二・六〇一)
    2. 「ヱヱ、つれない久松さん」(出典:歌舞伎・お染久松色読販(1813)大切)
  4. ③ なんの変わりもみえない。なんの影響もうけない。また転じて、なんのへんてつもない。退屈である。
    1. [初出の実例]「岩間より生ふるみるめしつれなくは潮干潮満ちかひもありなん」(出典:伊勢物語(10C前)七五)
  5. ④ 思うにまかせない。意のごとくにならない。
    1. [初出の実例]「とどめあへずむべも年とはいはれけりしかもつれなく過ぐるよはひか〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑上・八九八)
  6. ⑤ 周囲の事情にかまわず、鈍感である。厚顔である。
    1. [初出の実例]「恥あるものは討死し、つれなきものは落ちぞゆく」(出典:平家物語(13C前)八)

つれないの派生語

つれな‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

つれないの派生語

つれな‐さ
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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