人種主義[ゴビノー](読み)じんしゅしゅぎ[ゴビノー](英語表記)racism

翻訳|racism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「人種主義[ゴビノー]」の意味・わかりやすい解説

人種主義[ゴビノー]
じんしゅしゅぎ[ゴビノー]
racism

19世紀フランスの思想家 J.A.ゴビノーの提起した人種理論に依拠する人種差別的思想の体系。ゴビノーは特異な歴史観に基づいて,文明没落は人種の混血化によると考えた。ここに生物学的・遺伝学的な純潔の観念が定式化された。彼は H.S.チェンバレンとともに世界の人種のなかでもアーリア人種の優秀性を説いたため,20世紀のナチズムの反ユダヤ主義的政策とアーリア人種の卓越性というイデオロギーに利用された。ちなみにゴビノーによれば黄色人種唯物論的であり,想像力や形而上学的思考の能力に欠けるとされている。

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