列聖(読み)レッセイ(英語表記)canonizatio; canonization

デジタル大辞泉 「列聖」の意味・読み・例文・類語

れっ‐せい【列聖】

歴代天子
カトリック教会で、死後福者に列せられた信徒が、さらに教皇宣言により聖人として公式に認められること。

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共同通信ニュース用語解説 「列聖」の解説

列聖

カトリック教会で、信仰模範となるにふさわしい信者を最高の崇敬対象の「聖人」とすること。聖人に認定されるには2度の奇跡を起こしたことが要件で、ローマ法王庁列聖省の審査を経て、法王が列聖式で聖人と宣言する。聖人の前段階の「福者」とする手続きは死後5年以上たってから始められ、認定まで数十年から数百年かかることもある。聖人になるにはさらに時間がかかり、16世紀末に長崎で殉教した日本のカトリックの26聖人の場合、死亡から265年を要した。(ローマ共同)

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精選版 日本国語大辞典 「列聖」の意味・読み・例文・類語

れっ‐せい【列聖】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 代々の天子。歴代の聖帝
    1. [初出の実例]「経列聖而難値、鍾治世而偶来」(出典本朝続文粋(1142‐55頃)二・朔旦冬至詔〈藤原敦光〉)
    2. [その他の文献]〔顔延之‐応詔讌曲水作詩〕
  3. ローマ‐カトリックで、死後、福者に列せられた信徒が、さらに教皇の宣言により聖人として公式に認められること。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「列聖」の意味・わかりやすい解説

列聖
れっせい
canonizatio; canonization

おもにキリスト教カトリックにおいて,信者がその死後,信仰の模範となり聖人名簿に列せられるにふさわしいと公式に認められること。今日では,バチカン市国にあるローマ教皇庁の一つである列聖省の調査を経て,教皇が宣言する。列福をされて福者となった者が対象であり,列福後に少なくとも一つ以上の奇跡が証明されることが要件となっている。教皇勅令によって初めて列聖されたのはアウクスブルク司教ウルリヒで,973年に死去後,993年のラテラノ公会議で教皇ヨハネス15世により列聖された。教皇アレクサンデル3世は,従来司教にゆだねられていた列聖の権限がローマ教皇庁にあると定め,教皇グレゴリウス9世のもとで教令化された。1588年教皇シクスツス5世は教皇庁に秘跡聖省を創設し,列福および列聖の手続きの遂行を命じた。教皇ウルバヌス8世と,その後の教皇ベネディクツス14世による教会法制定が,今日カトリックの教会法典が定める列福・列聖手続きの基礎を形成している。1969年教皇パウルス6世は,列福・列聖手続きの短縮と分権化を発表し,列聖を司る典礼聖省(1988列聖省に改称)を新たに設置した。

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普及版 字通 「列聖」の読み・字形・画数・意味

【列聖】れつせい

歴代の皇帝。清・康有為〔礼運注叙〕天、群生を愛し、(よ)りて以て泯(ほろ)びず。列(かご)し、幸ひに以て傳すること、二千五百年なり。

字通「列」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の列聖の言及

【聖人】より

… 聖人信仰には異教や土俗信仰の混入の痕跡をとどめている場合が少なくないが,同時に,完成した形では厳格にカトリック信仰の枠の中に位置づけられていることは注目に値する。もと自然に発生した習慣だっただけに聖人認定の手続も定かでなく,死体が腐朽しないことだけでも聖性を証すると考えられ,せいぜい司教が認定するのみであったが,12世紀から新聖人認定権は教皇庁の独占するところとなり,列聖の手続や儀式も整った。17世紀には一段下の聖性をもつ福者beatus,beataの位階も設けられた。…

※「列聖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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