(読み)レツ

デジタル大辞泉 「列」の意味・読み・例文・類語

れつ【列】

[名]
順に長く並ぶこと。連なること。また、そのもの。ならび。行列。「になる」「を作る」「を離れる」
仲間。「大臣のに連なる」「大国のにはいる」
数学で、行列または行列式での縦の並び。
表計算ソフトリレーショナルデータベースにおける、縦一列のデータの領域。それぞれの列は、データの種類や属性により他の列と区分される。カラムコラム。⇔
[接尾]助数詞。つらなっているものを数えるのに用いる。「二に並ぶ」
[類語]並び行列整列配列羅列縦列並列直列堵列とれつ隊列隊伍一列分列列立列する連なる並ぶ立ち並ぶ

れつ【列】[漢字項目]

[音]レツ(漢) [訓]つらなる つらねる
学習漢字]3年
つらなり並ぶ。つらねる。「列記列挙列車直列陳列配列並列羅列
その場に加わる。「列席参列
一つらなりに並んだもの。「行列系列歯列縦列戦列前列葬列隊列
並んだ順序。「序列同列
ずらりと並んでいるさま。「列強列国列伝列島
気性が強い。「列女
[名のり]つら・とく・のぶ

れち【列】

れつ(列)」に同じ。
「博士、文人、―引きて着き並みぬ」〈宇津保・祭の使〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「列」の意味・読み・例文・類語

れつ【列】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ならぶこと。つらなること。また、そのならび。つらなり。行列。列次。
      1. [初出の実例]「包列置師、咸審才周」(出典懐風藻(751)在常陸贈倭判官留在京〈藤原宇合〉)
      2. [その他の文献]〔易経‐繋辞上〕
    2. 仲間。同列。
      1. [初出の実例]「藤原ながらかどわかれたるは、列にもたちざりけり」(出典:紫式部日記(1010頃か)寛弘五年一〇月一六日)
    3. 数学で、行列または行列式の縦の並びのこと。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 つらなっているものを数えるのに用いる。
    1. [初出の実例]「兵員奇数なるときは左翼の第二列を欠く」(出典:歩兵操典(1928)第一二八)

つら【列・連】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. つらなること。ならぶこと。仲間としてならんでいるもの。れつ。行列。
      1. [初出の実例]「根の使主は今より以後、〈略〉群臣の例(ツラ)に莫預(なあつか)らしめそ」(出典:日本書紀(720)雄略一四年四月(前田本訓))
    2. 同列のもの。同類。
      1. [初出の実例]「是つらの字書世にふりておほしといへども」(出典:落葉集(1598)序)
  2. [ 2 ] 〘 接尾語 〙 列・条の数をかぞえるのに用いる。
    1. [初出の実例]「夕冷(され)の空薄陰(くもり)何と無物哀なりける折節一行(ツラ)の鴈飛渡けるか」(出典:平松家本平家(13C前)二)

つらら【列】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「つら(列)つら(列)」の変化した語 ) 列をなしているさま。つらなり続くさま。
    1. [初出の実例]「わたつみの 沖辺を見れば 漁りする 海人の娘子は 小船乗り 都良々(ツララ)に浮けり」(出典:万葉集(8C後)一五・三六二七)

れち【列】

  1. 〘 名詞 〙れつ(列)
    1. [初出の実例]「中島の釣殿に〈略〉博士・文人、れちひきてつきなみぬ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)祭の使)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「列」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] レツ
[字訓] わける・つらねる・ならべる

[説文解字]
[その他]

[字形] 会意
(れつ)+刀。は断首の象。頭骨になお頭髪を存する形である。〔説文十一下を「水るることたるなり」とし、列を声とするが、頭部を切りとった形。断首してこれを列することを列といい、これを呪禁に用いることを「遮(しやれつ)」という。殷墓には断首坑が多く、身首を別ち、各々別に十体ずつを一坑とし、数十坑にわたってこれを列するものがある。その遺構によって遮実体が知られ、列・の字義を確かめることができる。それよりして列次・序列・整列・列世のように用いる。

[訓義]
1. わける、身首を分かつ、首切る。
2. つらねる、ならべる、ならべおく。
3. 加える、中にさし加える。
4. 次第する、序列する、ととのえる、おさめる。
5. ならび、くらい、くみ、なかま。
6. (れつ)と通じ、さえぎる、呪禁、辜(ひよくこ)。

[古辞書の訓]
名義抄〕列 ツラヌ・ツラナル・ツヅケタリ・コゾル・ノブ・アマル・ツラ 〔字鏡集〕列 ワカチトク・コゾル・ツラナル・ツラヌ・ツラ・サカリ

[声系]
〔説文〕に列声として・裂・烈・冽・例など十二字を収める。列の声義を承けるものが多い。

[語系]
列・烈・liatは同声。列声・(れい)声の字に声義の通じるものが多く、断首祭梟(さいきよう)(首祭)の俗に関する語が多い。

[熟語]
列位・列営・列・列火・列岳・列壑・列観・列記・列居・列挙・列列戟・列欠列侯・列公・列光・列国・列坐列采・列肆・列次・列寺・列侍・列峙・列舎・列樹・列周・列聚・列従・列宿・列叙・列序・列女・列・列植・列真・列陣・列星・列聖・列世・列席・列刹・列仙・列・列代・列第・列宅・列置・列陳・列鼎・列伝・列土・列等・列排・列藩・列判・列班・列品・列風・列辟・列門・列・列羅
[下接語]
一列・官列・環列・行列・系列・後列・坐列・錯列・参列・歯列・次列・序列・森列・成列・斉列・整列・前列・隊列・直列・陳列・列・等列・同列・配列・排列・班列・布列・譜列・分列・並列・編列・列・羅列・論列

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「列」の解説

表計算ソフトなどにおけるワークシート上の縦の並び。カラムやフィールドとも呼ばれる。通常、左から順にアルファベットでA、B、C...と番号が振られている。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【商業】より

…このような状況のもとにおいて,生産企業は自己の商品の流通を独立の商人に依存せず,みずから市場に乗り出し,市場の不確実性除去に努める。すなわち自家販売組織の編成,および商人の独立性を形式的に残しながらその実質的従属化を達成していく商人系列化を図る。いわゆる〈配給〉の領域が形成される。…

※「列」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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