別業(読み)ベツギョウ

デジタル大辞泉 「別業」の意味・読み・例文・類語

べつ‐ぎょう〔‐ゲフ〕【別業】

別の職業事業
別荘
我家粗造なる―あれば」〈竜渓経国美談

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精選版 日本国語大辞典 「別業」の意味・読み・例文・類語

べつ‐ぎょう‥ゲフ【別業】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「業」は屋敷の意 ) 本宅以外の屋敷。別荘。べちぎょう。べつごう。
    1. [初出の実例]「天皇幸右大臣相楽別業」(出典:続日本紀‐天平一二年(740)五月乙未)
    2. 「禅定殿下は又富豪家の別業(ベツゲフ)罷帰べき由」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)下)
    3. [その他の文献]〔石崇‐思帰歎〕
  3. 別の職業。他の事業。
    1. [初出の実例]「百官朝参之時、進退作法者、始於神道乎、亦復起於別業乎」(出典:唯一神道名法要集(1511頃))
  4. 山や野中にある墓地。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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普及版 字通 「別業」の読み・字形・画数・意味

【別業】べつぎよう(げふ)

別荘。別墅。晋・石崇〔思帰引の序〕に放を樂しみ、篤(あつ)く林を好み、河陽の別業に肥(ひとん)(隠居)す。

字通「別」の項目を見る

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百科事典マイペディア 「別業」の意味・わかりやすい解説

別業【なりどころ】

古代皇族貴族の別荘。奈良時代の右大臣橘諸兄(たちばなのもろえ)の相楽(さがらか)別業(現京都府井手町)が著名で,聖武天皇行幸(ぎょうこう)している。田地が付属する場合もあった。→田荘
→関連項目宇治神崎木幡吹田鳥羽殿鳥養牧平等院

別業【べつぎょう】

別業(なりどころ)

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改訂新版 世界大百科事典 「別業」の意味・わかりやすい解説

別業 (なりどころ)

日本古代における皇族や貴族の別宅・別荘的なもので,〈山荘〉〈別墅〉などもこれにあたる。例えば令制以前では《日本書紀》用明1年5月条の〈炊屋姫皇后之別業〉,同2年4月条の〈大連(物部守屋)之別業〉,8世紀では《続日本紀》天平12年(740)5月乙未条の〈右大臣(橘諸兄)相楽(さがらか)別業〉,天平神護1年(765)11月甲申条の藤原豊成の〈難波別業〉などがみえる。しかし《日本書紀》の古訓では,〈田荘〉〈田宅〉〈田家〉も〈なりどころ〉と読まれているので,なかには田地を付属するものも存在したと考えられる。
田荘(たどころ)
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世界大百科事典(旧版)内の別業の言及

【別業】より

…日本古代における皇族や貴族の別宅・別荘的なもので,〈山荘〉〈別墅〉などもこれにあたる。例えば令制以前では《日本書紀》用明1年5月条の〈炊屋姫皇后之別業〉,同2年4月条の〈大連(物部守屋)之別業〉,8世紀では《続日本紀》天平12年(740)5月乙未条の〈右大臣(橘諸兄)相楽(さがらか)別業〉,天平神護1年(765)11月甲申条の藤原豊成の〈難波別業〉などがみえる。しかし《日本書紀》の古訓では,〈田荘〉〈田宅〉〈田家〉も〈なりどころ〉と読まれているので,なかには田地を付属するものも存在したと考えられる。…

【別荘】より

…日常居住する住宅とは別に,保養,避暑,避寒や自然的な環境のなかでの遊楽などを目的として建てられた住宅で,古くは別業(べつぎよう),別墅(べつしよ),別庄(べつしよう)などとも呼ばれた。別荘を建てる習俗はかなり古くからあり,ローマ帝国や古代中国などの皇帝・貴族がすでに多くの別荘を建てていた。…

※「別業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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