受取る(読み)ウケトル

デジタル大辞泉 「受取る」の意味・読み・例文・類語

うけ‐と・る【受(け)取る/請(け)取る】

[動ラ五(四)]
受けて取る。渡されたものを受け収める。「手紙を―・る」
人の言葉行動などを自分なりの判断解釈する。また、納得する。「話を額面どおりに―・る」「善意に―・る」
責任をもって引き受ける。担当する。
「帝隠れさせ給ひしかば、神功皇后御世を―・らせ給ひ」〈平家・五〉
[類語](1領収受領査収収受接受受理受納貰う押し頂く受ける収める受給受贈譲り受ける貰い受ける授かる頂くたまわ頂戴ちょうだい拝領拝受申し受ける/(2解釈

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精選版 日本国語大辞典 「受取る」の意味・読み・例文・類語

うけ‐と・る【受取・請取】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 自分のほうへ来るものや渡されるものを手に入れる。収め入れる。受領する。
    1. [初出の実例]「其の横刀(たち)受取(うけとり)たまひし時」(出典古事記(712)中)
    2. 「物など多くうけとりてなん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)松風)
  3. ある事柄を進んで身に引き取る。
    1. (イ) 責任をもって引き受ける。担当する。
      1. [初出の実例]「その御うしろみの事をば、うけとりきこえん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
    2. (ロ) 人から仕事などを引き継ぐ。
      1. [初出の実例]「帝の御位は限りある事なれど、余り世を疾(と)くうけとりておはしましけるにや」(出典:今鏡(1170)三)
    3. (ハ) 物事を自分の考えや感じによって、そうだと認める。承知する。納得する。信ずる。また、解釈する。現在では、可能動詞「うけとれる」の形でも用いる。→うけとれる(受取)
      1. [初出の実例]「孔子の語を直ちに暁て請取㒵也」(出典:応永本論語抄(1420)里仁)
      2. 「『私事、当年三十九に罷成る』といふ。いづれも合点せず『いかにしても、三十九、四十にしては請取(ウケトリ)がたし』」(出典:浮世草子日本永代蔵(1688)三)
      3. 「よく人から、相手を遣り込めるのを目的とする様に受取(ウケト)られる」(出典:それから(1909)〈夏目漱石〉九)
    4. (ニ) 話などに応ずる。
      1. [初出の実例]「ヤイ岡平はおらぬか。物申(ものもふ)がある、うけとれ」(出典:浄瑠璃碁盤太平記(1710))
  4. 他からの作用が身に及ぶ。身に受ける。こうむる。
    1. [初出の実例]「さばかりおもきやまひをうけとりたまひて」(出典:大鏡(12C前)四)

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