叩頭(読み)コウトウ

デジタル大辞泉 「叩頭」の意味・読み・例文・類語

こう‐とう【×叩頭】

[名](スル)《頭で地面をたたく意から》頭を地につけておじぎをすること。叩首。「叩頭してわびる」
[類語]お辞儀会釈目礼黙礼最敬礼一礼敬礼答礼握手一揖叩首低頭拝礼平伏土下座平身低頭ぬかずくひれ伏す伏し拝む三拝九拝

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精選版 日本国語大辞典 「叩頭」の意味・読み・例文・類語

こう‐とう【叩頭】

  1. 〘 名詞 〙 ( 頭で地をたたく意から ) 頭を地にすりつけておじぎをすること。また、頭をさげてかしこまること。叩首。
    1. [初出の実例]「入鹿起就御座、叩頭曰、臣不知罪、乞垂審察」(出典:家伝(760頃)上)
    2. [その他の文献]〔史記‐田叔伝〕

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普及版 字通 「叩頭」の読み・字形・画数・意味

【叩頭】こうとう

降服の礼。〔史記、呉王伝〕王袒(にくたん)(はだぬぎ)し、軍の壁に叩頭し、(つ)げて曰く、臣、法を奉ずることまず、百姓を(きやうがい)す。~敢て(しよかい)の罪をふと。~に自す。太后・太子も皆死す。

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改訂新版 世界大百科事典 「叩頭」の意味・わかりやすい解説

叩頭 (こうとう)
kòu tóu

中国古来の拝礼の一つ。〈叩頭〉は後漢のころから,古く《周礼(しゆらい)》に挙げられた〈九拝〉の一つ〈頓首〉と同義通用するようになったという。いわゆる〈拝〉は,立ったままする〈揖(ゆう)〉と異なり,基本的に頭・手・足をともに用いる跪拝のことで,〈頓首〉〈叩頭〉は,ひざまずいて両手を胸の前で重ねあわせ,頭額を急激に地面に叩きつけて行った。〈頓首〉は,古くは〈稽顙(けいそう)〉と呼ばれて凶拝であったことから,頭額を物に激突させて自殺するという中国特有の習俗を背景に生まれ,本来殉死の形態から喪礼に用いられる拝法として定着してきたものとみられる。また〈叩頭〉という語は,〈再拝頓首〉などに同じく,請罪の意を表すことばとしても用いられ,宋代ころから〈磕頭(こうとう)〉とも称されるようになった。広く敬礼として行われるとともに,《大明会典》や《大清会典》の〈礼〉部には叩頭の礼を規定し,その拝儀は複雑化した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「叩頭」の意味・わかりやすい解説

叩頭
こうとう
kou-tou; k`ou-t`ou

中国の礼の形式。ひざまずいて両手を地につけ,頭を地につける礼で,主として皇帝謁見するときの臣下の礼。明朝でも行われたが,清朝では1度ひざまずくと3度頭を地につけ,これを3回繰返す三跪九叩 (さんききゅうこう) が通常行われるようになった。清朝中期以後の外国の使臣の謁見にもこれが強要され,乾隆 58 (1793) 年に北京を訪問したイギリス大使 G.マッカートニーは,初めこの礼を要求されたが拒否し,乾隆帝がマッカートニーの礼節ある態度を認めて特にこれを免じて謁見させた。嘉慶朝ではイギリス大使 W.アマーストがこれを拒否して退去するなど,しばしば外交問題にまで発展した。

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