向心力(読み)こうしんりょく

日本大百科全書(ニッポニカ)「向心力」の解説

向心力
こうしんりょく

求心力ともいう。物体が運動する軌道上の任意の点で、物体に働くを、軌道の接線方向と曲率の中心方向に分解したとき、後者を向心力という。向心力は物体の速度の方向を絶えず変え、直線運動から引き離し、固定点(中心)の周りに回転させる。半径rの円周上を質量mの物体が角速度ωで回るときの向心力は、円の中心に向かって、mrω2である。速さvを用いると、mv2/rで与えられる。たとえば「おもり」を「ひも」で結んで回転させる場合には、「おもり」を絶えず引っ張っている「ひも」の張力が向心力であり、円運動によって生じる遠心力とつり合っている。

[阿部恭久]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「向心力」の解説

向心力
こうしんりょく
centripetal force

求心力ともいい,等速円運動する物体に働く中心向きの力。たとえば,一端につけた石を水平面内で他端のまわりに等速円運動させるとき,石には糸の張力が向心力として働く。円軌道の半径を r ,物体の質量を m ,角速度を ω ,速さを v(vrω) とすれば,向心力は mrω2 または mvr2/r である。回転座標系からみると,みかけ上逆向きの遠心力 mrω2 が働く。

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百科事典マイペディア「向心力」の解説

向心力【こうしんりょく】

求心力とも。等速円運動をしている物体に作用している力。円の中心に向かい,大きさはmrω2またはmv2/r(mは運動している物体の質量,rは円の半径,ωは角速度の大きさ,vは速度の大きさ)。→遠心力
→関連項目円運動

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精選版 日本国語大辞典「向心力」の解説

こうしん‐りょく カウシン‥【向心力】

〘名〙 物体を円運動させるために円の中心に向かって物体に加える力。この力が働かなくなると物体は直線運動に移る。向心力は物体の質量と速度の二乗との積を半径で除した大きさをもつ。求心力。〔工学字彙(1886)〕

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デジタル大辞泉「向心力」の解説

こうしん‐りょく〔カウシン‐〕【向心力】

円運動をしている物体が受ける慣性力の一。円の中心に向かって働き、運動の速度が一定のときは物体の質量に比例し、円の半径に反比例する。求心力。⇔遠心力
[類語]パワー引力万有引力斥力重力無重力無重量揚力浮力動力推力惰力弾力表面張力求心力遠心力水力火力風力原子力電力磁力

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世界大百科事典内の向心力の言及

【円運動】より

…この加速度を与え続けて,質量mの物体に上記の等速円運動をさせるためには,中心へ向かう,大きさmV2/Rの力が必要である。これを向心力または求心力という(遠心力)。 アリストテレスは,運動の基本形は直線運動と円運動であり,永続可能なのは円運動であるから,円運動こそもっとも完全な運動であると論じた。…

【遠心力】より

…このため半径Rで円運動をしている質量mの物体には,円の中心へ向かう大きさmV2/Rの力が作用している。この力を向心力centripetal forceまたは求心力という。回転の角速度をωとすればVRωであるから,向心力の大きさはmRω2とも表せる。…

※「向心力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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