呼声(読み)ヨビゴエ

デジタル大辞泉 「呼声」の意味・読み・例文・類語

よび‐ごえ〔‐ごゑ〕【呼(び)声】

《古くは「よびこえ」》
呼ぶ声。呼びたてる声。「金魚売り呼び声
人選任命などについての評判名声
名前。呼び名。
「うかとした―はいやでござある」〈咄・醒睡笑・二〉
[類語](1掛け声売り声/(2評判人気高名著名有名名代なだい名うて名高い英名名聞美名令名栄冠栄光栄誉光栄名誉誉れ栄え光輝栄名声誉

こ‐せい【呼声】

相手を呼ぶ声。よびごえ。

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精選版 日本国語大辞典 「呼声」の意味・読み・例文・類語

よび‐ごえ‥ごゑ【呼声】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 古くは「よびこえ」 )
    1. 人々に呼びかける声。
      1. [初出の実例]「大宮の内まで聞こゆ網引(あびき)すと網子(あご)調ふる海人の呼声(よびこゑ)」(出典:万葉集(8C後)三・二三八)
    2. 呼び名。名称。
      1. [初出の実例]「われらはうかとしたよび声はいやで御座ある。二つながらはねた名をつけてたまはれ」(出典:咄本・醒睡笑(1628)二)
    3. 評判。名声。うわさ。特に、選出されたり任命されたりするだろうといううわさや評判をいう。
      1. [初出の実例]「その重要な点がまったく曖昧なのは奇怪なくらゐだった。それにも拘らず呼声は大きい」(出典:ブウランジェ将軍の悲劇(1935‐36)〈大仏次郎〉ブウランジスムの進軍)
  2. [ 2 ] ( 「よびこえ」とも ) 狂言。大蔵・鷺流。ただし、和泉流には番外曲としてある。太郎冠者が無断で外出したのに立腹した主人は、次郎冠者を使いにやるが、太郎冠者は少しも動じない。次いで、主人が自ら出向き、考えて作り声で案内を請うと、太郎冠者もやはり作り声で返事し、主人が浄瑠璃節平家節などで呼びかけると、同じ節で答えて主人を喜ばせるが、結局最後に叱られる。

こ‐せい【呼声】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 相手を呼ぶ声。また、さけぶ声。よびごえ。
    1. [初出の実例]「呼声動地、積鏃成堆」(出典:日本外史(1827)三)
    2. [その他の文献]〔史記‐項羽紀〕
  3. 呼び方。読み方
    1. [初出の実例]「音と云ふは文字の呼声にて、訓と云ふは文字の意味なり」(出典:小学読本(1884)〈若林虎三郎〉三)

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普及版 字通 「呼声」の読み・字形・画数・意味

【呼声】こせい

さけび声。〔史記、項羽紀〕楚の戰士、一以て十に當らざる無し。楚兵の呼聲、天を動かす。

字通「呼」の項目を見る

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