土用波(読み)ドヨウナミ

デジタル大辞泉 「土用波」の意味・読み・例文・類語

どよう‐なみ【土用波】

夏の土用ころ海岸に打ち寄せる大波。はるか沖合にある台風影響によるうねりがやって来たもの。 夏》「―はるかに高し見えて来て/万太郎
[類語]波浪さざ波白波逆波津波うねり小波大波高波荒波波濤怒濤激浪男波女波余波徒波あだなみ逆浪げきろう横波海嘯夕波波頭なみがしら波頭はとう波の花波間

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精選版 日本国語大辞典 「土用波」の意味・読み・例文・類語

どよう‐なみ【土用波】

  1. 〘 名詞 〙 夏の土用の頃に海岸に打ち寄せる大波。ふつうは台風によるうねりである。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「雲のみねうねり上せよ土用波〈百里〉」(出典:俳諧・其袋(1690)夏)

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改訂新版 世界大百科事典 「土用波」の意味・わかりやすい解説

土用波 (どようなみ)

熱帯洋上で発生した台風の暴風圏から出てくるうねりは,数千kmの海面を伝搬していち早く日本の太平洋岸に打ち寄せる。これは台風が洋上にある間じゅう継続する。夏の土用の入り(7月20日前後)がすぎて,日本が太平洋高気圧におおわれておだやかな晴天が続いているときに顕著に現れるところから,俗に特異な季節的現象として〈土用波〉と呼ばれてきた。
うねり
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「土用波」の意味・わかりやすい解説

土用波
どようなみ
doyo-nami

夏の土用(立秋前の18日間)ごろから、日本の太平洋岸で、風がないかごく弱いのに海岸に打ち寄せる高波。遠方海上にある台風から発したうねりは台風自身より進行速度が速いため海岸に早く到達する。これが土用波である。

[半澤正男・高野健三]

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海の事典 「土用波」の解説

土用波

夏の土用(立秋の前18日間)の頃、風の無い日に海岸に打ち寄せる大波をいう。この頃にしばしば発生する洋上遥かにある台風によって起こされたうねりであ るが、気象の観測・予報体制の無かった昔には、土用波は非常に恐れられ、警戒された。 (永田

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百科事典マイペディア 「土用波」の意味・わかりやすい解説

土用波【どようなみ】

夏の土用ごろ日本の太平洋岸に起こる大波。遠方海上の台風によって起こされたうねり

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「土用波」の意味・わかりやすい解説

土用波
どようなみ

台風によるうねり。夏の土用の頃,太平洋側の海岸に打寄せてくる大波から名づけられた。

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とっさの日本語便利帳 「土用波」の解説

土用波

夏の土用(立秋の前一八日間)の頃、晴天で風もないのに海岸に押し寄せてくる大波。はるか南海上の台風で発生するうねりが伝わってくる。

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世界大百科事典(旧版)内の土用波の言及

【うねり】より

…うねりの特徴はこのような理由で現れると考えられている。実際に南太平洋の暴風圏を源とするうねりが赤道を越え,はるかアラスカの沿岸に到達したり,赤道付近にある台風域で発生したうねりが土用波として日本の沿岸にうち寄せるように,暴風域で成長した波長数百mの巨大な波浪は,うねりとして1万km以上の遠方まで伝わることが知られている。またうねりは多くの場合,数分間の周期でその波高が大きく変化するビート現象を伴う。…

※「土用波」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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