デジタル大辞泉 「細波」の意味・読み・例文・類語
さざ‐なみ【▽細波/▽小波/×漣】
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1 細かに立つ波。さざれなみ。
2 心の小さな動揺。また、小さな争い・不和。「心に不安の―が広がる」「二国間に―が立ちはじめる」
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[類語]波・波浪・白波・逆波・津波・土用波・うねり・小波・大波・高波・荒波・波濤・怒濤・激浪・男波・女波・余波・
( 1 )「ささ」は細小の意を示し、「ささやか」「ささやく」「いささ」の「ささ」と同根。
( 2 )[ 一 ]①の挙例「万葉‐三〇四六」の歌については、[ 二 ]の地名と解する説もある。とすれば、上代に小さな波の意を表わす語は「さざれなみ」だけということになるが、地名でもその由来は小さな波の意が関係しているとみるべきで、「古事記‐中・歌謡」に「佐佐那美路(ササナミぢ)」があり、かなり古い語形と考えられる。また、この「万葉」例は「ささなみの」の形で用いられているので、「ささなみの」を枕詞とする説もあり、[ 二 ]の万葉の例も、この地方の地名にかかる枕詞とも考えられる。
→「ささらなみ」の語誌
( 1 )小さな波の意を表わす語は他に「さざれなみ」「ささなみ(さざなみ)」があり、いずれも「万葉集」に見えるが、「ささらなみ」は「新撰字鏡」(天治本。ただし、享和本では「ささなみ」)に見えるのが早い。しかし、上代に「ささら荻」「ささら形」などの語形があり、母音交替形の「さざれなみ」もあるので「ささらなみ」も上代にすでにあった可能性が高い。
( 2 )「ささら」は「ささ」に情態を表わす「ら」のついた語であるところから第二音節はもともと清音であったと推定される。しかし、「万葉集」には「さざれなみ」と濁音の語形も見えるので、比較的早く「さざらなみ」となった可能性も高い。なお、歌語としては中古以降「ささなみ」「ささらなみ」が使用されている。→さざれなみ
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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報