(読み)ケイ

デジタル大辞泉 「圭」の意味・読み・例文・類語

けい【圭】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ケイ(漢)
先端が三角になった玉器。「玉圭」
圭の形をしたもの。「圭角土圭刀圭
[名のり]か・かど・きよ・きよし・たま・よし
[難読]圭冠はしはこうぶり

けい【×圭】

古代中国の玉器の一。長方形板状で先はとがり、天子が諸侯を封じた際にしるしとして与え、また、祭祀さいしに用いた。

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精選版 日本国語大辞典 「圭」の意味・読み・例文・類語

けい【圭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 上部がとがり、下部が四角の玉。古代中国で、天子が諸侯を封(ほう)ずる時、そのしるしとして与えたり、神をまつる時、その祭具の一つとして用いたりしたもの。
    1. [初出の実例]「古之王者、封諸侯邦国、必以玉為信。名之曰圭」(出典空華集(1359‐68頃)一六・不琢説)
    2. [その他の文献]〔説文‐圭〕
  3. 量の単位。勺(しゃく)の千分の一。

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普及版 字通 「圭」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 6画

(異体字)珪
10画

[字音] ケイ
[字訓] たま

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
圭玉の形。〔説文十三下に「瑞玉なり」とし、その形制について「上圜(ゑん)下方。桓圭を執り九寸、侯は信圭を執り、伯は躬圭を執り、皆七寸~以て侯を封ず」とみえ、諸侯を封ずるときの瑞玉をいう。金文に「圭(かんけい)」を賜うことが多くみえ、酒器(ゆう)とともに賜与されているから、圭は鬯酒(ちようしゆ)(くろきびの香り酒)を用いるときの玉器であろう。〔毛公鼎〕に「秬鬯(きよちやう)一寶(さんぱう)を賜ふ」、〔師詢(しじゆんき)〕に「秬鬯一・圭を賜ふ」とあり、鬯酒を用いるときの礼器である。

[訓義]
1. たま。諸侯を封ずるときの瑞玉。
2. 圭。鬯(かんちよう)のとき、鬯酒を酌む玉器。
3. 玉器として、圭潔・圭角の意を含む。
4. 容量、また重量の単位。十圭一合・十粟一圭の定めであった。

[古辞書の訓]
名義抄〕圭 ハシハ・カサヌ・ハカリ 〔字鏡集〕圭 イサギヨシ・タマ・カサヌ・ハカリ

[声系]
〔説文〕に圭(けい)声として街・卦・・佳・・奎・恚・閨・挂・畦など二十三字を収める。圭の声義をとるものは、圭玉の形によるものが多く、卦は画地識爻の土版の形。このうち哇(あ)・恚(い)の声をとるものは、また別の一系をなすものであろう。

[語系]
圭・珪・閨kyueは同声。圭は上圜下方の土室、閨は上圜下方、特立の戸をいう。

[熟語]
圭影・圭角・圭玉・圭圭硯・圭撮・圭圭璽・圭勺・圭尺圭爵・圭首圭裳・圭圭瑞・圭組圭田・圭頭圭竇圭篳・圭表・圭幣・圭璧圭門・圭
[下接語]
珪・玄珪・穀圭・執圭・青圭・大圭・土圭・刀圭・日圭・白圭・璧圭・宝圭・命圭

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改訂新版 世界大百科事典 「圭」の意味・わかりやすい解説

圭 (けい)
guī

上がピラミッド形で下方が角柱状の玉器。古代中国で天子が諸侯を封ずるとき,信任のしるしとして与えたもので,周代から行われていた。公は桓圭(かんけい),侯は信圭,伯は躳圭(きゆうけい),子は穀璧(こくへき),男は蒲璧(ほへき)の5段階があり,公・侯・伯が圭であった。また,圭は祭祀や朝廷の招待などにも用いられた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「圭」の意味・わかりやすい解説


けい
gui

中国古代の玉器の一種で,権威を象徴した。上方がとがった短冊形を呈し,半圭のものを璋と呼んでいる。圭の形は先史時代の有孔石斧から発達したといわれるが,確かではない。殷代鄭州期および安陽期には,圭,璋に属する玉器が発見されているが,斧形あるいは戈形のものである。西周になると長方形あるいは戈形のものがみられ,いわゆる圭,璋の形が出現するのは春秋・戦国期に入ってからで,上村嶺,輝県,洛陽焼溝などの東周墓から出土している。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【玉器】より

… 前10~前9世紀の交,すなわち西周中期は社会慣行,宗教観念の顕著な変革期に当たるが,それに対応して出現した瑞玉として,勺の柄に取り付ける玉がある。前1千年紀末の古典中で圭(かんけい)と呼ばれるものである。前10~前8世紀には前の時期に多かった動物形の玉器の製作は衰える。…

【玉器】より

…玉製の斧,(へき),琮(そう)がそれである。玉製の斧は後にも長く作られ,前3世紀ころまで伝統が続き,前1千年紀末の古典中で琬圭(えんけい)と呼ばれるにいたる。璧は当時天体をかたどったと推測すべきふしがあり,琮は四隅に天神を表した人面を刻む。…

※「圭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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