
(そく)+土。
は塞の初文。建物などの入口を、呪具の工を重ねて塡塞し、邪霊などをそこに封じこめる意。土は土主(土地神)。道路や辺境の要地に塞を設けて土神を祀り、異族神や邪霊の通行を禁ずる呪禁とした。〔説文〕十三下に「
つるなり」とあり、また〔文選、西京の賦、注〕に引く〔説文〕に「
は塞ぐなり」とあって互訓。
は神域を示す
(ふ)(神梯の象)に鬲(れき)(壺の類)を埋めて、聖俗の境を示し、隔離する意。塞をまた、とりでの意に用いるのは、軍事的な施設に転用したものである。わが国の「塞(さえ)の神」が、古い用法である。
を
(てん)部五上に属するが、その部には展を属すべく、
は宀(べん)部に従うべきであろう。塞声の字に寨・賽の字があるが後起。城塞・辺塞に木柵を用いることが多かった。「塞の神」に祈ることを賽といい、塞の初義を知ることができる。
▶・塞内▶・塞北▶・塞令▶・塞意▶・塞噎▶・塞淵▶・塞詰▶・塞
▶・塞源▶・塞口▶・塞耳▶・塞職▶・塞心▶・塞井▶・塞声▶・塞
▶・塞責▶・塞絶▶・塞塞▶・塞匿▶・塞閉▶・塞黙▶・塞門▶・塞壅▶
塞・閉塞・
塞・辺塞・補塞・報塞・防塞・北塞・密塞・厄塞・要塞・臨塞・路塞・鹿塞出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…前5世紀のペルシア戦争の際にペルシア側について参戦したサカは,とりわけ〈アミュルギオンのサカ〉とよばれた人々で,キルギスのステップに住み,尖り帽子,ズボン,独特の弓と短剣,戦斧を身につけた強力な部隊であった。なお中国史料の塞民族をサカにあてる説があるが疑わしい。【小谷 仲男】 時代が下って前1世紀ころサカ勢力は大月氏の西方移動におされて,西北インドに侵入した。…
…言動を控え,みずからを戒めることで,刑罰・制裁としても科せられた。江戸時代,慎(つつしみ)と称した公家・武士の閏刑(じゆんけい)(特定の身分の者や幼老・婦女に対し本刑の代りに科す刑)は,《公事方御定書》が規定する
塞(ひつそく),遠慮に類似の自由刑で,他出・接見などの社会的活動を制限することに実質的意義があったが,また名誉刑的な性格ももつ。幕末には大名処罰に隠居と併科された例が多くみられる。…
…江戸幕府法では武士と僧に科せられる刑で,屋敷の門を閉じ,昼夜とも当人および内外の者の出入りを禁じ,ただ病気のときには夜中に医師を招き,また出火,類焼にあたっては消防,避難することは許されていた。自由刑と名誉刑との性質をもつ刑罰で,これより軽いものとして〈
塞(ひつそく)〉〈遠慮〉〈戸〆(とじめ)〉〈押込(おしこめ)〉があった。前2者は武士と僧に科するもの。…
※「塞」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...