大山崎(町)(読み)おおやまざき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大山崎(町)」の意味・わかりやすい解説

大山崎(町)
おおやまざき

京都府南西部、乙訓(おとくに)郡にある町。宇治川、木津(きづ)川、桂(かつら)川が合流して淀(よど)川となる北岸に位置する。1967年(昭和42)町制施行。JR東海道本線、阪急電鉄京都線、名神高速道路、京滋バイパス、国道171号などが通ずる。淀川の北に天王山(てんのうざん)(270メートル)、南に男山(おとこやま)(142メートル)が相対し、京都盆地への西の門戸にあたり、1221年(承久3)の承久(じょうきゅう)の乱や、1582年(天正10)山崎戦い古戦場として知られる。中世には淀川水運の河港として栄え、男山の石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)に仕える神人(じにん)たちによる油座が置かれた。現在は大阪、京都のベッドタウンとして住宅化が著しい。天王山の中腹には宝積寺(ほうしゃくじ)があり、三重塔(国の重要文化財)は桃山時代の特色を示し、またサクラの名所として知られる観音(かんのん)寺(山崎聖天)もある。山麓(さんろく)の妙喜庵(みょうきあん)は山崎宗鑑(そうかん)の庵室で、茶室待庵(たいあん)(国宝)は千利休(せんのりきゅう)の作と伝えられる。面積5.97平方キロメートル、人口1万5953(2020)。

織田武雄

『『大山崎町史』全2巻(1981~1983・大山崎町)』


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