大湊(三重県)(読み)おおみなと

日本大百科全書(ニッポニカ)「大湊(三重県)」の解説

大湊(三重県)
おおみなと

三重県中東部、伊勢市(いせし)の一地区。旧大湊町。伊勢湾に注ぐ宮川の河口に位置し、伊勢神宮の外港として栄えた。全国の大神宮領からの神饌(しんせん)米、神供(じんく)は船で大湊に集められ、神宮に運ばれた。江戸時代、「伊勢参り」の人々はここから神宮まで約6キロメートルの道のりを歩いた。また天然の良港で沿岸漁民の避難港に利用された。造船業も行われ、1338年(延元3・暦応1)北畠親房(きたばたけちかふさ)は奥州下向の際、大湊で50余隻の大船を調達した。また豊臣(とよとみ)秀吉の朝鮮出兵のときも、地元の九鬼嘉隆(くきよしたか)がここで軍船を建造した。江戸幕府もしばしば大船をつくらせている。白瀬中尉が南極探検に用いた開南(かいなん)丸もここで建造された。近代以降は大型漁船、中小貨物船を建造し、輸出も多く、伊勢市の財政源でもあったが、近年は全国的な造船不況の影響を受けている。現在は、アサリ、バカガイなどの採貝が行われている。

[伊藤達雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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