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学習理論 がくしゅうりろんlearning theories

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

学習理論
がくしゅうりろん
learning theories

学習過程を規定する基本概念の性質または型を基準にすれば,学習理論は,(1) S=S(sign-significate)説,(2) S=R(stimulus-response)説に分類されるが,学習成立の必要条件を基準にすれば,強化説,非強化説,2要因説に分けられる。 S=S 説では,学習を学習者の認知構造の変化としてとらえ,それには強化は必要条件とはされない。 E.C.トールマンのサイン=ゲシュタルト説はこの代表的なものである。 S=R 説では,学習を刺激反応との連合としてとらえ,これに属する学者としては,古くは E.L.ソーンダイクをはじめ,C.L.ハル,E.R.ガスリーなどが著名である (→刺激=反応説 ) 。このうちガスリーは学習原理として接近を1次的なものとし,他はだいたい動機づけに関連した強化を重視している。その他,学習は単一な過程ではなく,そのうちのある過程は強化法則に,他は接近法則に従うとする説を2要因説という。近年は,学習に関して,数学的モデルや生理学的モデルを提起する傾向が顕著である。

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デジタル大辞泉の解説

がくしゅう‐りろん〔ガクシフ‐〕【学習理論】

学習の原因や仕組みを説明する心理学の理論。学習とは刺激と反応の結合であるとするSR説と、ものの見方の変化であるとする認知説が代表的。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

学習理論
がくしゅうりろん
learning theory

学習理論には、学習の原因や仕組みを説明する心理学の理論と、犯罪・非行の原因や仕組みを説明する社会学の理論がある。
 心理学の学習理論は、S-R理論と認知理論に大きく分けられる。S-R理論は、刺激stimulusに結び付いて反応responseが起こると考える理論で、人間や動物の行動に関する条件づけconditioningの基礎理論となっている。たとえば、「パブロフの犬」といわれる古典的条件づけの実験では、犬に食物を与える前にメトロノームの音を聞かせ、それを繰り返すと、メトロノームの音が聞こえただけで唾液(だえき)が分泌されるようになる。つまり、犬はメトロノームの音を食物が出てくる合図であると学習するのである。条件づけを利用した心理療法に、行動療法がある。
 また、認知理論は、五感の知覚から得られた情報が、それまでの学習に影響を受けて認知されると考える理論である。たとえば、ラベンダーの香りをトイレの芳香剤で学習すると、本物のラベンダーの香りからトイレを連想するようになる。つまり、ラベンダーの香りをトイレの臭(にお)いと認知するのである。認知を変えることで恐怖心や嫌悪感を改善する心理療法を認知療法という。なお、行動療法と認知療法の特長をあわせた認知行動療法もある。
 社会学の学習理論は、犯罪や非行などの逸脱行動の原因は先天的な異常にあるのではなく、後天的に学習されると考える理論群である。精神病質や社会解体を犯罪原因とみなす立場を否定し、それまでの犯罪研究に一石を投じた。代表的な学習理論に、アメリカの犯罪社会学者のサザランドEdwin H. Sutherland(1883―1950)が提唱した分化的接触理論がある。「犯罪は学習される」「その学習の主要な部分は、親密な私的集団のなかで行われる」といった九つの命題で構成され、犯罪の文化に接することで人々は犯罪を学習するという点に着目している。学習理論は性善説を前提とするため、性悪説を前提とする統制理論と対立する見解がある。[田中智仁]
『E・H・サザランド、D・R・クレッシー著、平野龍一・所一彦訳『犯罪の原因 刑事学原論1』(1964・有信堂) ▽坂野雄二著『認知行動療法』(1995・日本評論社) ▽高橋治久・堀田一弘著『学習理論』(2009・コロナ社)』

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