(読み)タク

デジタル大辞泉 「宅」の意味・読み・例文・類語

たく【宅】

住居。住まい。「先生のお
自分の住居。我が家。「明日へおいでください」
妻が、他人に対して自分の夫をいう語。「がそのように申しました」→御宅おたく
[類語](1)(2うち家屋屋舎おくしゃ住宅住家じゅうか住居家宅私宅居宅自宅きょ住まい住みかねぐら宿やどハウス尊敬お宅尊宅尊堂高堂貴宅謙譲拙宅弊宅陋宅ろうたく陋居陋屋ろうおく寓居ぐうきょ/(3主人亭主旦那ハズバンドハズ夫君内の人宿六良人旦つく先夫前夫亡夫男鰥おとこやもめ寡夫

たく【宅】[漢字項目]

[音]タク(漢)
学習漢字]6年
すまい。やしき。「宅診宅地火宅帰宅旧宅居宅私宅自宅社宅住宅拙宅邸宅転宅別宅本宅
[名のり]いえ・おり・やか・やけ

や‐け【宅】

やか(宅)」に同じ。
大帯日子命おおたらしひこのみこと御宅みやけを此の村に造り給ひき。かれ、―の村といふ」〈播磨風土記

や‐か【宅】

《「屋処やか」の意》家。家宅。
「―の辰巳たつみの隅のくづれ、いとあやふし」〈東屋

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「宅」の意味・読み・例文・類語

たく【宅】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 住む家。住まい。住みか。居宅。住居。
    1. [初出の実例]「還御之次、入御岡崎四郎宅」(出典吾妻鏡‐文治三年(1187)一〇月二日)
    2. [その他の文献]〔書経‐召誥〕
  3. 自分の住む家。わが家。自宅。
    1. [初出の実例]「此急須も宅(タク)の品でございますよ」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉三)
  4. 他人に対して、妻が自分の夫をいう。
    1. [初出の実例]「良人(タク)が存生時分」(出典:あたらよ(1899)〈内田魯庵〉)

やけ【宅】

  1. 〘 名詞 〙やか(宅)
    1. [初出の実例]「とひとまにも己が夜気(ヤケ)授くる人をば一日二日と択ひ」(出典:続日本紀‐天平元年(729)八月二四日・宣命)

や‐か【宅】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「屋処(やか)」の意 ) いえ。家宅。やけ。
    1. [初出の実例]「やかの辰巳の隅のくづれ、いと、あやふし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)東屋)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「宅」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] タク
[字訓] おる・すまい

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は(たく)。〔説文〕七下に「人の託居するなり」とするが、中にあって行う儀礼をいう字であろう。卜辞に「三帚(婦)は新寢に宅(を)らんか」「今(こ)の二、新寢に宅らんか」という例があり、寝に宅ることを卜する。〔詩、大雅、文王有声〕「是の鎬京(かうきやう)に宅る」、〔書、康誥〕「亦た惟(こ)れ王を助けて天命を宅(さだ)む」のように用い、また〔儀礼、士喪礼〕に葬居を卜することを「宅を筮す」という。卜辞に寝に宅ることを卜するものは、所にあって神の憑依を受け、神託を得るためであろう。

[訓義]
1. おる、すむ、やすんずる、はか、もと神聖の居るところをいう。
2. すまい、やしき。
3. はかる。

[古辞書の訓]
名義抄〕宅 イヘ・イヘセリ・スム・ヲリ・ホシイマンマ/光宅 ミチヲリ

[語系]
宅deak、託・thakは声義が近い。は神託を受ける方法を示す字。神の憑依を受けるために聖所に宿ることを宅といい、死後の居をも宅という。託は神託、(たく)は〔説文〕八上に「寄するなり」とあり、は〔広雅、釈詁四〕に「依るなり」という。みな憑依することに関係のある語であろう。

[熟語]
宅宇・宅屋・宅家・宅基・宅揆・宅居・宅券・宅眷・宅庫・宅子・宅舎・宅者・宅心・宅神・宅人・宅地・宅・宅第・宅土・宅圃・宅房・宅憂・宅里・宅裏
[下接語]
安宅・奄宅・遠宅・屋宅・火宅・家宅・官宅・館宅・起宅・寄宅・帰宅・旧宅・居宅・区宅・窟宅・故宅・広宅・光宅・市宅・私宅・自宅・借宅・住宅・新宅・仁宅・筮宅・拙宅・相宅・大宅・定宅・邸宅・第宅・転宅・廛宅・田宅・貧宅・弊宅・別宅・卜宅・本宅・列宅・廬宅

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android