暖かい（読み）アタタカイ

デジタル大辞泉

あたたか・い【暖かい／温かい】

［形］［文］あたたか・し［ク］《形容動詞「あたたか」の形容詞化》
１ （暖かい）寒すぎもせず、暑すぎもせず、程よい気温である。あったかい。「―・い部屋」「―・い地方」《季 春》「―・きドアの出入となりにけり／万太郎」
２ （温かい）物が冷たくなく、また熱すぎもせず、程よい状態である。「―・い御飯」
３ （温かい）思いやりがある。いたわりの心がある。「―・くもてなす」⇔冷たい。
４ （暖かい）金銭が十分にある。「今日は懐が―・い」⇔寒い。
５ （暖かい）色感がやわらかく、冷たい感じがしない。「―・い色調の壁紙」
[補説]気温のようにからだ全体で感じるあたたかさに、「寒い」に対して「暖かい」、部分で感じたり心で感じたりするあたたかさに、「冷たい」に対して「温かい」と書くのが普通。
[類語]（1）（2）あたたか・あったか・生あたたかい・温暖・温和・ほかほか・ぽかぽか・ほやほや・温ぬるい・ぬくい・優しい・ぬくぬく・生ぬるい・ぬくもり・暖気・春暖・ほっくり・ほくほく・ほっこり・ほかほか・ぬくみ・ぬるみ・暖まる・ぬくもる・ぬるむ・暖める／（3）優しい・情け深い・手厚い・細やか・懇ねんごろ・親切・懇篤こんとく・温厚・温か・寛厚・寛仁かんじん・慈悲深い・心が籠もる・心を籠める・ハートフル

あったか・い【^▽暖かい／^▽温かい】

［形］「あたたかい」に同じ。「―・い部屋」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

あったか・い【暖・温】

1. 〘 形容詞口語形活用 〙
   [ 文語形 ]あったか・し 〘 形容詞ク活用 〙 ( 「あたたかい（暖）」の変化した語 )
2. ① ＝あたたかい（暖）①
   1. [初出の実例]「雪は〈略〉、降る間(うち)は暖(アッタカ)いネ」(出典：滑稽本・浮世風呂（1809‐13）四)
3. ② ＝あたたかい（暖）②
   1. [初出の実例]「あったかい隠居懐炉も小判形」(出典：雑俳・柳多留‐七八（1823）)
4. ③ ＝あたたかい（暖）③
5. ④ 知恵が足りない。うす馬鹿だ。おめでたい。
   1. [初出の実例]「留さんが少し頭のあったかいことや」(出典：青べか物語（1960）〈山本周五郎〉留さんと女)
6. ⑤ 男女の仲がよいさまである。熱い。
   1. [初出の実例]「いやなことだね。お温(アッタ)かい所を見せつけられて」(出典：生まざりしならば（1923）〈正宗白鳥〉)

暖かいの派生語

あったか‐げ

1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

暖かいの派生語

あったか‐さ

1. 〘 名詞 〙

暖かいの派生語

あったか‐み

1. 〘 名詞 〙

あたたか・い【暖・温】

1. 〘 形容詞口語形活用 〙
   [ 文語形 ]あたたか・し 〘 形容詞ク活用 〙
2. ① 体に適度な温度が加わって心地よい。
   1. (イ) 寒くもなく、暑すぎもせず、気持がよい。気候や外気の温度が程よい。《 季語・春 》
      1. [初出の実例]「そこらをかける雉子(きじ)の勢ひ 暖うなりてもあけぬ北の窓〈野坡〉」(出典：俳諧・続寒菊（1780）)
   2. (ロ) 体の一部で感じる物の温度が、熱すぎず冷たくもなく、快い程度に高い。「温かい御飯」
3. ② 金銭が十分に、豊かにあるさま。
   1. [初出の実例]「『いつ見ても内があたたかさふな』といはるれば、下人いふやう『成ほどあたたかい』」(出典：咄本・軽口御前男（1703）三)
4. ③ 思いやりや理解がこもっている。
   1. [初出の実例]「暖(アタタ)かい家庭に育った」(出典：野分（1907）〈夏目漱石〉二)

暖かいの派生語

あたたか‐げ

1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

暖かいの派生語

あたたか‐さ

1. 〘 名詞 〙

暖かいの派生語

あたたか‐み

1. 〘 名詞 〙

出典　精選版 日本国語大辞典