(読み)きし

精選版 日本国語大辞典 「岸」の意味・読み・例文・類語

きし【岸】

〘名〙
陸地が川・湖・海などの水に接したところ。みずぎわ。なぎさ。
万葉(8C後)七・一二三七「静けくも岸(きし)には波は寄せけるかこれの家通し聞きつつ居れば」
太平記(14C後)六「或は橋の上を歩ませ、或は河瀬を渡して、向の岸(キシ)に懸驤る」
岩石または地などのきり立ったところ。がけ。きりぎし。山ぎし。岩壁。
※万葉(8C後)一〇・二三一三「あしひきの山かも高き巻向の木志(きシ)の子松にみ雪降り来る」
※米沢本沙石集(1283)一〇本「山のきしに小き菴室をかまへて、後世菩提の行おこたらず」
③ 桶・井戸など水のはいっているものの縁(ふち)
※雑俳・歌羅衣(1834‐44)二「子持風呂の岸を譲りて」

きし【岸】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「岸」の意味・読み・例文・類語

がん【岸】[漢字項目]

[音]ガン(呉)(漢) [訓]きし
学習漢字]3年
ガン
きし。「岸頭岸壁右岸沿岸河岸海岸護岸接岸対岸彼岸
角立っている。いかめしい。「魁岸かいがん傲岸ごうがん
〈きし(ぎし)〉「岸辺川岸山岸
難読河岸かし

きし【岸】

陸地の、海・川・湖などの水に接している所。みずぎわ。「に打ち寄せる波」
土地の切り立った所。がけ。
「あしひきの山かも高き巻向まきむくの―の小松にみ雪降り来る」〈・二三一三〉
[類語]岸辺右岸左岸両岸岸壁向こう岸対岸川岸河岸かがん河岸かし湖岸

きし【岸】[姓氏]

姓氏の一。
[補説]「岸」姓の人物
岸清一きしせいいち
岸信介きしのぶすけ

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