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庭中 テイチュウ

4件 の用語解説(庭中の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

てい‐ちゅう【庭中】

にわのなか。庭内。
中世の訴訟における過誤救済制度の一。訴訟担当奉行の不正や書類の紛失など、手続き上の不備を訴えること。また、のちには将軍への直訴をいう。

出典|小学館
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世界大百科事典 第2版の解説

ていちゅう【庭中】

庭の意から転じて法廷,さらに特定の手続または内容の訴訟をいう。鎌倉末・南北朝期,朝廷の記録所や院の文殿(ふどの)に庭中と呼ぶ訴訟手続があり,暦応雑訴法の規定では,手続の過誤の救済を求めるものと思われる。鎌倉・室町両幕府法では,手続の過誤の救済を求める特別訴訟手続をいい,内容の過誤の救済を求める越訴(おつそ)=再審請求とは厳密に区別される。鎌倉幕府の場合,(1)関東では評定の座で訴える御前庭中と引付の座で訴える引付庭中とがあるが,いずれも口頭で訴える,(2)六波羅探題には庭中奉行があって,庭中申状を提出する,の二つの制度があった。

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大辞林 第三版の解説

ていちゅう【庭中】

庭の中。庭内。
法廷。
鎌倉幕府の敗訴者救済制度の一。敗訴者が訴訟審理過程に不正・過誤をみとめたとき、担当奉行人の上司である引付頭人または執権に対して直接再審請求を行う行為。この制度は院政機構のなかにも採用され、室町時代には将軍に対する直訴の別名となった。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

庭中
ていちゅう

中世の法律用語で、元は法廷を意味する語。(1)朝廷の場合、親政下では記録所、院政下では文殿(ふどの)の法廷、またそこで行われた訴訟手続をいう。鎌倉末・南北朝期の朝廷での一般訴訟は、記録所・文殿のいずれでも、庭中とよばれる手続によった。(2)鎌倉幕府では、裁判の手続の不備を理由とする過誤救済制度をいう。たとえば奉行人(ぶぎょうにん)(訴訟事務担当者)の不正、証拠書類の紛失などの場合に行われたが、これは判決内容の過誤を理由とする覆勘(ふくかん)、越訴(おっそ)とは区別される。庭中には評定(ひょうじょう)の座に訴える御前(ごぜん)庭中と、引付(ひきつけ)の座に訴える引付庭中とがあり、六波羅(ろくはら)探題には庭中奉行があった。また室町幕府では初期に庭中方という部局があった。(3)16世紀には、正当な手続によらず主君を路上に待ち受けて請願書を提出する行為(日葡(にっぽ)辞書)とされている。[羽下徳彦]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の庭中の言及

【越訴】より

… 第2の場合。鎌倉幕府は訴訟制度をよく発達させたが,再審制度として越訴と庭中(ていちゆう)とがあった。庭中は奉行の不法などの訴訟手続上の過誤を理由とする再審請求である。…

【庭】より

…寺院の衆徒の僉議(せんぎ)も庭で行われ,鎌倉幕府,室町幕府にも大庭と呼ばれた訴訟の場があったのである。当時,裁判手続上の誤り,奉行人の偏頗な審理のしかたを訴えることを庭中(ていちゆう)といったのも,この庭と関係がある。それは一種の直訴(じきそ)制度で,奉行人,代官などを経ずに,直接,裁判権者(将軍,大名など)に訴える点に特徴があり,1458年(長禄2),〈無縁の仁に於ては庭中すべきの由〉ともいわれている。…

※「庭中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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