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強制捜査 キョウセイソウサ

デジタル大辞泉の解説

きょうせい‐そうさ〔キヤウセイサウサ〕【強制捜査】

強制処分による捜査。逮捕・勾留(こうりゅう)捜索押収などのように、対象者の意思に反して行う捜査。法律に規定のある場合に限られ、捜査機関令状を得て行うものと、捜査機関の請求により裁判官が行うものとがある。→任意捜査

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百科事典マイペディアの解説

強制捜査【きょうせいそうさ】

強制処分による捜査。任意捜査に対する。これは乱用されると被疑者や第三者の人権侵害の危険性をもつので,原則として,捜査機関が公平な立場にある裁判官に令状を申請し,裁判官から逮捕状・捜索令状・押収令状などが発せられた場合に限って許される(令状主義)。ただし上の危険性のない現行犯逮捕と緊急逮捕の場合には令状なしに行える。
→関連項目捜査

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大辞林 第三版の解説

きょうせいそうさ【強制捜査】

強制手段を用いた捜査のことをいい、被疑者の身柄を確保するための逮捕・勾留、証拠物を入手するための一定の場所の捜索、証拠物の押収などがある。原則として裁判官が発付した令状に基づいて行う。 ⇔ 任意捜査

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

強制捜査
きょうせいそうさ

捜査機関が捜査の目的で行う強制処分のこと。強制捜査には、まず対人的強制捜査として、被疑者に対する逮捕、身体捜索・身体検査、勾留(こうりゅう)、鑑定留置などがあり、参考人に対しては、身体捜索・身体検査、証人尋問などがある。対物的強制捜査としては、捜索・差押え、検証、領置、鑑定処分などがある。強制処分は、法律に特別の定めがある場合に限られる(刑事訴訟法197条1項但書)。いわゆる強制処分法定主義である。しかし、たとえば人の自由を侵害する行為(たとえば、腕をつかむ行為)が強制処分である逮捕にあたるかどうかは、強制処分をどのように解するかによる。判例は、個人の意思を制圧し、身体、住居、財産等に制約を加えて強制的に捜査目的を実現する行為など、特別な根拠規定がなければ許容することが相当でない手段をいうとしている。この立場からすれば、たとえば腕をつかむ行為も、単にそれだけで逮捕となるわけではなく、それが個人の意思を制圧する程度である場合にはじめて逮捕となる。学説では、個人の重要な利益を侵害する処分を強制処分と解する見解が有力である。この観点からすれば、個人のプライバシー権を侵害する行為も強制処分となる。法律も、通信の当事者のいずれの同意も得ないで電気通信の傍受を行う処分(いわゆる通信傍受、盗聴)を強制処分としている(同法222条の2)。
 強制捜査をするには、原則として、裁判官の発する令状を必要とする。いわゆる令状主義である。例外として、人を現行犯として逮捕する場合には令状を必要としない(憲法33条、刑事訴訟法213条)。また、人を逮捕する場合には、令状なくして捜索・差押え・検証をすることができる(刑事訴訟法220条)。[田口守一]

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世界大百科事典内の強制捜査の言及

【捜査】より

…刑事訴訟法は,検察官と司法警察職員との関係を協力関係とし(192条),一定の場合に検察官に指示・指揮の権限を与えている(193条)。 警察官たる司法警察職員は,司法警察員と司法巡査に区別されるが,両者は,強制捜査に必要な令状を請求する権限等に差異がある。司法警察職員には,警察官(一般司法警察職員)のほか,法律上特別に捜査権限を与えられた,いわゆる特別司法警察職員が含まれる。…

※「強制捜査」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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