(読み)チョウ

デジタル大辞泉 「彫」の意味・読み・例文・類語

ちょう【彫】[漢字項目]

常用漢字] [音]チョウ(テウ)(呉)(漢) [訓]ほる
模様や文字をほり刻む。「彫刻彫塑彫像彫琢ちょうたく木彫

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精選版 日本国語大辞典 「彫」の意味・読み・例文・類語

えりゑり【彫】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「える(彫)」の連用形名詞化 )
  2. ほり刻むこと。ほり。
    1. [初出の実例]「ゑり深う、強う、固う書き給へり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)
  3. 矢筈(やはず)の部分の名称。弦をかけるため矢筈の上部を削ってへこましたところ。篦(へら)の端にそのまま彫りこんだものと、角(つの)や木に彫りを入れて篦に取り付けたものとがある。
  4. 柱のくぼみ(日葡辞書(1603‐04))。

ほり【彫】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ほる(彫)」の連用形の名詞化 )
  2. 彫ること。彫り具合。彫り方。また、彫ったもの。
    1. [初出の実例]「彫(ホ)りのぱちんの金具は滝に鯉」(出典:花ごもり(1894)〈樋口一葉〉五)
  3. 彫ったような凹凸(おうとつ)
    1. [初出の実例]「日本人には珍しく彫(ホリ)の深い、いい顔だちでした」(出典:大道無門(1926)〈里見弴〉遠雷)

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普及版 字通 「彫」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)
11画

(異体字)雕
16画

[字音] チョウ(テウ)
[字訓] ほる・かざる

[説文解字]

[字形] 会意
(周)+彡(さん)。彫飾のある盾(たて)の形。彡はその彫飾の美をいう。〔説文〕九上に「(たくぶん)なり」とあり、玉を琢する意とするが、周はもと雕盾の象。のちすべて琢を加えることをいい、〔論語、公冶長〕に「朽木(ゑ)るべからず」とみえる。金文の〔休盤〕に「戈(くわてうし)」を賜与することがみえ、戈に彫飾を加えたものをいう。字はまた雕に作る。

[訓義]
1. ほる、もようをほる、かたちをほる。
2. きざむ、える、ちりばめる、かざる。
3. に通じ、しぼむ、いたむ。
4. に通じ、玉にほる。
5. 字はまた雕に作る。
6. 彫啄は、ついばむ。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕雕 惠留(ゑる) 〔名義抄〕雕 ヱル・シリゾク・オトロフ・ヤブル・シボム・イタム・ツクハム 〔字鏡集〕 シホル・ヤブル・キザム・カル・チリバム・オトロフ・アカシ・ヱル・シリゾク

[語系]
(雕)・tyu、(琢)teokは声義近く、琢することをいう。tjiuは彫盾。盾には繁縟な文様を加えた。稠diuは稠密禾穀(かこく)の茂ることをいう。また木葉などは弊によって皺(しわ)が生ずるので、tyuという。みな一系の語である。語彙は雕字条参照。

[熟語]
彫雲彫楹・彫彫几彫綺・彫・彫偽・彫弓・彫玉彫絢彫枯・彫刻・彫残・彫章・彫傷彫牆・彫飾・彫尽彫瘁・彫衰・彫・彫鐫・彫俎・彫喪・彫騒・彫俗・彫題・彫琢・彫啄・彫・彫虫・彫飭・彫・彫篆・彫文・彫兵・彫敝・彫弊・彫亡・彫落・彫竜・彫鏤・彫励・彫麗
[下接語]
楹彫・巧彫・後彫・漆彫・霜彫・虫彫・兵彫・鏤彫

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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