デジタル大辞泉
「後山」の意味・読み・例文・類語
あと‐やま【後山/跡山】
1 (後山)鉱山で、採掘作業を行う鉱員を助けて、石炭や鉱石を運搬する作業員。⇔先山。
2 沿岸を航海中に、船の後方に見えて目標となる山。⇔先山。
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あと‐やま【後山・跡山】
- 〘 名詞 〙
- [ 一 ] ( 後山 )
- ① 掘り出した石炭や鉱石を運搬したりして採炭夫を助ける仕事をする坑夫。⇔先山。
- ② 鉱山、炭坑で、後から入って経験の浅い鉱夫。⇔先山。
- [ 二 ] ( 跡山・後山 ) 航海中の船の船尾の方向に見えて目標となる山。⇔先山。〔廻船安乗録(1810)〕
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後山
うしろやま
現東粟倉村北東部、兵庫県宍粟郡千種町境にある。標高一三四四・六メートル。県北部では有数の高峰で、氷ノ山後山那岐山国定公園に含まれ、シャクナゲ自生地など特別自然保護地区となっている。
古くから修験の霊場として知られ、行者山ともよばれる。「東作誌」は山容について大和大峯山を髣髴させるといい、当地方を吉野郡とするのもそれにちなむとある。南西麓にある真言宗醍醐派延命山道仙寺は、同書によれば開基を役行者とし、本寺を紀州高野山金剛三昧院とするが、同寺由緒書(東粟倉村史)では建長年間(一二四九―五六)徹雲が修行のために入山し、当山中腹に一堂を構えたのが同寺の創建という。
後山
うしろやま
[現在地名]大和町市野江 後山
市野江村西方の山間部にある枝村。東の一村尾村で三国街道から分岐する道が、信濃川支流飛渡川沿いに下って木落(現中魚沼郡川西町)へ至る。文明一八年(一四八六)、道興准后の「廻国雑記」に「きおとしなとうち過て、うるし山をこゆ」とある「うるし山」は当地と思われる。文禄四年(一五九五)七月の藪上庄市ノ江・一村尾検地帳(豊野文書)によると、名請人は二人で、分付主はいずれも池上分とある。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
後山 (うしろやま)
岡山県の北東隅,兵庫県境にある山。岡山県下の最高峰(1345m)であり,修験道の道場として知られている。ここの修験場は役小角(えんのおづぬ)が開いたとされ,大和の大峰山とともに女人禁制が厳守され,中腹の女人堂までしか登れない。江戸中期まで入山者は修験者に限られていたが,しだいに大衆信仰の場となってきた。毎年9月7日に行う柴灯護摩(さいとうごま)の大法要は山腹八合目にある行者本堂で営まれ,山腹一帯に護摩堂,道仙寺など多くの行場を配する。山頂部一帯はコナラ,ブナの自然林におおわれ,山腹の古生層地帯には千年杉が昼なお暗いほど茂る。後山は西方にある那岐山(1240m),黒木ダムとともに1966年,岡山県立自然公園に指定され,69年兵庫県の氷ノ山(ひようのせん)とあわせて氷ノ山後山那岐山国定公園となった。西斜面の美作市の旧東粟倉村地内に青少年旅行村,キャンプ場などの施設がある。
執筆者:藤原 健蔵
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
後山(岡山・兵庫県境)
うしろやま
岡山県美作(みまさか)市後山と兵庫県宍粟(しそう)市との境界にある山。標高1344メートルで、岡山県の最高峰。修験道(しゅげんどう)の霊山で、いまも女人禁制。山麓(さんろく)の道仙寺が管理している。麓(ふもと)の緩斜面は1938年(昭和13)から開墾され、ダイコン栽培が盛ん。後山青少年旅行村、キャンプ場などがあり、氷ノ山後山(ひょうのせんうしろやま)那岐山(なぎさん)国定公園の一部。
[由比浜省吾]
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後山
うしろやま
岡山県美作市と兵庫県宍粟市の境,中国山地の東部にある山。標高 1344m。岡山県の最高峰。ここには役小角 (えんのおづぬ) が開いたという霊場がある。毎年9月7日には柴灯 (さいとう) 護摩の大法要が営まれ,多くの信者が山伏に先導されて谷川で水ごりをとり 49ヵ所の行場で行をする。江戸時代中期まで入山者は修験者にかぎられていたが,しだいに大衆信仰の場となった。しかし,現在も女人禁制で,女性は中腹の女人堂までの登山が許されている。付近はスギ,カエデ,ブナなどの天然林があり,氷ノ山後山那岐山国定公園に属する。
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世界大百科事典(旧版)内の後山の言及
【先山】より
…炭鉱の採炭作業場において,昔は2人1組となって1人はつるはしで石炭を掘り他の1人はその石炭の積込運搬をした。この掘る人を先山といい,積込運搬をする人を後山(あとやま)といった。しかし今日では,先山といえば技術の優秀な熟練鉱員のことをいい,先山は作業班の指導者として後山を指導しながら安全に注意して仕事をする。…
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