災難を逃れるために身につけるもの。社寺で出す護符,御札等を守袋等に入れた懸守(かけまもり)と子どもの産着(うぶぎ)の背中に色糸の縫飾をする背守(せまもり)がある。懸守の遺品には四天王寺の平安時代のものがある。筒状の箱を錦でくるみ,さらに飾金具がつけられている。これに紐をつけ胸にかけた。藤原秀衡のミイラにも懸守がかけられていて,また《春日権現験記絵巻》のうちには巫女が懸守をしている図があるから,男女ともにしていたものであろう。熊野速玉大社の室町時代に寄進された神宝のうちにも懸守がみられる。中世に武士が戦場に出る時,鎧の背につるした守仏(まもりのほとけ)も懸守の一種であった。中世では衣服の上からかけたが,近世に入ると直接肌の上,または腹掛けの表につけるようになった。幕末には腕につける腕守も出現した。子どもの背守の模様は鶴,亀,井筒などめでたいもので,魔除け,虫封じのためとされた。《長岡領風俗問状答》には,タラノキに〈蘇民将来子孫〉と書き,これを背縫の下に縫いつけた背守のことがみえている。
→御札 →護符
執筆者:西垣 晴次
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…社寺で出す守札。神符(《運歩色葉集》),御守(《神道名目類聚抄》),守札,札守などとも呼ばれる。護符の一種。…
※「御守」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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