御守(読み)オモリ

デジタル大辞泉 「御守」の意味・読み・例文・類語

お‐もり【御守(り)】

[名](スル)
子供の相手をしたり、世話をしたりすること。また、その人。子守り。
手のかかる相手に付き添って世話などをすること。また、その人。「新入社員のお守りをする」
[類語]世話心配扶助扶育付き添い介添え介助介護介抱看護面倒見めんどうみケア

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御守」の意味・読み・例文・類語

お‐もり【御守】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
  2. 子供を大切に守って、世話をすること。また、その人。子守(こもり)。転じて、世話のやける人の相手となって機嫌をとること。
    1. [初出の実例]「白河院御本には〈略〉従容ををもりとよめり。天孫の召仕はるる人也」(出典:天理本日本書紀抄(1527)下)
    2. 「粗暴といやみで持切りたる、客のお幇間(モリ)にもてあませど」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉八)
  3. 神社や御堂などの番をすること。また、その人。

お‐まもり【御守】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 ) 災難を逃れるため身につけるもの。古くは桑や南天の木で槌や瓢箪の形を作って腰にさげ、あるいは着物の背に小豆小石を入れた袋をつけて背守りとした。のちに社寺守り札をその目的に使うようになった。御札(おふだ)護符。御符(ごふう)神符(しんぷ)
    1. [初出の実例]「此像を父母と見よ。定て汝か父母の、かけさせつらんとて、御守りより取出し」(出典:御伽草子・大仏の縁起(古典文庫所収)(室町末))

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改訂新版 世界大百科事典 「御守」の意味・わかりやすい解説

御守 (おまもり)

災難を逃れるために身につけるもの。社寺で出す護符,御札等を守袋等に入れた懸守(かけまもり)と子どもの産着(うぶぎ)の背中に色糸の縫飾をする背守(せまもり)がある。懸守の遺品には四天王寺の平安時代のものがある。筒状の箱を錦でくるみ,さらに飾金具がつけられている。これに紐をつけ胸にかけた。藤原秀衡のミイラにも懸守がかけられていて,また《春日権現験記絵巻》のうちには巫女が懸守をしている図があるから,男女ともにしていたものであろう。熊野速玉大社の室町時代に寄進された神宝のうちにも懸守がみられる。中世に武士が戦場に出る時,鎧の背につるした守仏(まもりのほとけ)も懸守の一種であった。中世では衣服の上からかけたが,近世に入ると直接肌の上,または腹掛けの表につけるようになった。幕末には腕につける腕守も出現した。子どもの背守の模様は鶴,亀,井筒などめでたいもので,魔除け,虫封じのためとされた。《長岡領風俗問状答》には,タラノキに〈蘇民将来子孫〉と書き,これを背縫の下に縫いつけた背守のことがみえている。
御札 →護符
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の御守の言及

【御札】より

…社寺で出す守札。神符(《運歩色葉集》),御守(《神道名目類聚抄》),守札,札守などとも呼ばれる。護符の一種。…

※「御守」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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