デジタル大辞泉 「怪我の功名」の意味・読み・例文・類語 怪我けがの功名こうみょう 過失と思われたこと、なにげなしにやった事が、意外によい結果になること。[類語]幸運・ラッキー・僥倖・付き・幸せ・幸い・果報・開運・盛運・強運・悪運・吉・儲け物・拾い物・恵まれる・あやかる・ついてる・物怪もっけの幸い・不幸中の幸い 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「怪我の功名」の意味・読み・例文・類語 けが【怪我】 の 功名(こうみょう) ( 「功名」は、古くは「高名」 ) 過失や災難と思われたことが、思いがけなく好結果をもたらすこと。また、なにげなくしたことが、偶然にも好結果を得ること。けがの頓作。あやまちの功名。〔日葡辞書(1603‐04)〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ことわざを知る辞典 「怪我の功名」の解説 怪我の功名 あやまちや事故によって、思いがけないよい結果がもたらされることをいう。転じて、特に意図しないのに、好結果がもたらされたこともいう。 [使用例] 「片方しか色をつけてないのがしゃれてますね」たしかにその投げやりな態度は、克明な写実がもたらしがちな古くさくて退屈な感じを救っている。だが、高校一年生の後藤正也の批評に、六十九歳の上原庸は苦笑して答えた。「あとでつづけるつもりだったが、それっきりになって。怪我の功名だね」[丸谷才一*年の残り|1968] [使用例] 出版ギリギリになってから、どんでん返しのハッピー・エンドを一枚描き足した。それがなにかの間違いで、本の奥付けのうらに印刷されてしまった。読者は、話が終わったと思って奥付けをめくると、意外な結末が待っているという、ケガの功名が、かえって受けた[手塚治虫*ぼくはマンガ家|1969] [解説] この「怪我」は、日常よく使われる負傷の意ではなく、過ちやしくじりをさしています。何か立派なことをした場合でも、はじめから意図してやったこととはかぎりません。結果がよかったからといって必ずしも当人の手柄ではなく、過ちや偶然のおかげだと、いくぶん皮肉に他人を批評したり、みずからそう認めるなど、シニカルなユーモアを感じさせる表現です。 負傷した人を前にして(あるいは負傷した当人が自ら)使うこともありますが、一種のだじゃれで、その場は受けたとしても、あまり感心できるものではなく、ことわざがわかっていないのではという疑念を生じさせかねません。ジョークにしても、ことわざ本来の意味を理解した上で、軽いユーモアの範囲にとどめるのが賢明でしょう。 出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報