戦う(読み)タタカウ

デジタル大辞泉 「戦う」の意味・読み・例文・類語

たたか・う〔たたかふ〕【戦う/闘う】

[動ワ五(ハ四)]《動詞「たた(叩)く」の未然形反復継続の助動詞「ふ」の付いたものからとも、「叩き合ふ」の音変化とも》
武力を用いて互いに争う。戦争する。「反乱軍と―・う」
互いに技量などを競い、勝負を争う。競争する。試合する。「強豪と―・う」「優勝をかけて―・う」
思想利害の対立する者どうしが自分の利益要求の獲得のために争う。「労使が―・う」「賃上げのために―・う」
苦痛や障害を乗りきろうとする。打ち勝とうと努力する。「困難と―・う」「病気と―・う」
互いにたたき合う。
「うつ浪に満ちくる潮の―・ふを楯が崎とはいふにそありける」〈夫木・二六〉
[補説]34は多く「闘う」と書く。
[可能]たたかえる
[類語](1争う渡り合う切り結ぶ交戦する合戦かっせんする会戦する衝突する激突する戦闘する一戦を交える砲火を交える兵刃へいじんを交える干戈かんかを交える奮戦する奮闘する/(2勝負する対戦する対する/(3争う闘争する対決する抗争する相手取る/(4立ち向かう抗するあらがう抵抗する格闘する

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精選版 日本国語大辞典 「戦う」の意味・読み・例文・類語

たたか‐・う‥ふ【戦・闘】

  1. [ 1 ] 〘 連語 〙 ( 動詞「叩(たた)く」の未然形に、反復・継続の意の助動詞「ふ」の付いたもの ) たたきつづける。乱打する。
    1. [初出の実例]「斧を執りて父を殴(タタカフ)〈興福寺本訓釈 殴 太々加不〉」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙 ( [ 一 ]の一語化した語とも、「たたきあう」の変化した語とも )
    1. 互いにたたきあう。うちあって勝ちをあらそう。
      1. [初出の実例]「闘(タタか)ひ諍ひつつ姧(かた)み偽はること多く」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)八)
    2. 互いに兵を出して攻めあう。合戦する。戦争をする。
      1. [初出の実例]「楯並(たたな)めて 伊那佐の山の 樹の間よも い行きまもらひ 多多加閇(タタカヘ)ば 吾はや飢(え)ぬ」(出典:古事記(712)中・歌謡)
    3. 互いに技、力、知恵などをふるって優劣をあらそう。対立する者どうしがあらそう。勝負をする。試合をする。
      1. [初出の実例]「大なる雄鶏を以て、呼びて己が鶏として、鈴・金の(あしえ)を著けて、競ひて闘はしむ」(出典:日本書紀(720)雄略七年八月)
    4. 障害や困難などにたち向かいこれをのりこえようとする。
      1. [初出の実例]「持病と闘はねばならぬ情ない有様で」(出典:泊客(1903)〈柳川春葉〉一)

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