デジタル大辞泉
「括」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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くくり【括】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「くくる(括)」の連用形の名詞化 )
- ① 袋などの口をしばること。きつく締めること。また、そのしばるひもなど。
- [初出の実例]「結び袋に色色の玉をむらごにつらぬきて、くくりにして、〈略〉双紙一帖入たり」(出典:古今著聞集(1254)一一)
- ② 狩衣(かりぎぬ)・指貫(さしぬき)などの袖や裾(すそ)に付けてあるひも。
- [初出の実例]「君に馬は奉りて、くくり引き上げなどして、かつはいとあやしくおぼえぬ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)
- 「知時が狩衣の袖のくくりをといて」(出典:平家物語(13C前)一一)
- ③ 鳥や獣などを捕えるしかけ。わなの類。
- [初出の実例]「くくりをかけて鹿をとりける程に」(出典:古今著聞集(1254)一六)
- 「さんせうのめにも涙やこほるらん おやはくくりにかかるこねずみ」(出典:俳諧・犬筑波集(1532頃)雑)
- ④ くくり染めにすること。纐纈(こうけち)であり、しぼり、めぞめ、かのこぞめをいう。
- [初出の実例]「くくり、かけとぢなどしたる雑仕」(出典:今鏡(1170)四)
- ⑤ きつくしぼったような、もののくびれ。またそのようなくびれのついたもの。
- [初出の実例]「鞠は尾張くくり本也」(出典:多聞院日記‐天正一一年(1583)五月一九日)
- 「実長きを夕顔といひ、実に約(ククリ)あるを瓢箪といひ」(出典:小学読本(1874)〈榊原・那珂・稲垣〉三)
- ⑥ 「くくりまくら(括枕)」の略。
- [初出の実例]「垜枕(あづちまくら)〈略〉西川祐信の画『正徳雛形』の枕尽しの模様に形の似たるはあれども、今の如く経(ククリ)といふ物をつけたるは無し」(出典:随筆・用捨箱(1841)下)
- ⑦ 物事をまとめること。しめくくり。
- [初出の実例]「一身の根本、万事の主宰と成て、是からしまれば、天下国家のくくりを得る」(出典:絅斎先生敬斎箴講義(17C末‐18C初))
- ⑧ 物事の結末。また、それに対する考え。
- [初出の実例]「当れば仕合、中(あた)らずば夫迄といふ括(ククリ)がなくて」(出典:滑稽本・古朽木(1780)二)
- 「自分の意見を述べて、いよいよ結末(ククリ)といふ段になると」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉一五)
- ⑨ 和船の帆装用の主要綱道具の一つ。帆柱の先端から船首水押へ張る太い麻綱で、帆を巻き上げる身縄の張力で帆柱が後方に曲げられないようにするもの。筈緒(はずお)。また、この両端だけ称することもある。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- ⑩ それぞれが金を出しあって必要なものを買うこと。
- [初出の実例]「醵は各出にぜにをだいて酒をかうてのむことぞ、ここらにくくりと云ことぞ」(出典:玉塵抄(1563)一六)
- ⑪ 楊弓(ようきゅう)・大弓(だいきゅう)などで銭をかけるときの、かけ金十銭のこと。
- [初出の実例]「所務的〈略〉に銭を賭物にする時の辞有り。〈略〉十一銭、括(ククリ)のさし始。〈略〉十九銭、くくりの際」(出典:類聚名物考(1780頃)調度部一五)
- ⑫ 版画で、描線と彩色の部分との調和をはかり、絵に締まりをつけるために、かき加える線。
くくし【括】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「くくす(括)」の連用形の名詞化 )
- ① くくること。また、その材料。くくり。からげ。
- ② ( 「くくしぞめ(括染)」の略 ) =くくりぞめ(括染)
- [初出の実例]「くくしのもとゆひにて、ゆはせ申」(出典:御伽草子・天狗の内裏(室町時代小説集所収)(室町末))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「括」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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