精選版 日本国語大辞典「日月」の解説
じつ‐げつ【日月】
[1] 〘名〙
① 太陽と月。ひつき。
※経国集(827)一四・奉和太上天皇青山歌〈惟良春道〉「雲雷兮吼怒 日月兮朝夕」 〔易経‐乾卦〕
② つきひ。としつき。歳月。光陰。
※懐風藻(751)和藤江守詠裨叡山先考之旧禅処柳樹之作〈麻田陽春〉「日月荏
去、慈範独依依」

※吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉八「無名の猫を友にして日月を送る江湖の処士」 〔書経‐泰誓〕
[2] 観世音菩薩の変化身で太陽の中に住むという「日天子」と、勢至菩薩の変化身で月の中に住むという「月天子」との併称。
※読本・椿説弓張月(1807‐11)残「中央に日月(ジツゲツ)の二天子を表し、増長、広目、持国、多門の四天を録(しる)すもの也」
※雑俳・柳多留‐四九(1810)「日月の一構とて雲のうへ」
ひ‐つき【日月】
〘名〙
① 太陽と月。
※常陸風土記(717‐724頃)筑波・歌謡「愛(は)しきかも 我が子孫(こ) 高きかも 神宮(かむみや) 天地の共(むた) 日月(ひつき)の共」
② 日数と月数。
※万葉(8C後)二・一六七「朝ことに 御言問はさず 日月(ひつき)の 数多(まねく)なりぬれ」
にち‐げつ【日月】
〘名〙 太陽と月。また、つきひ。としつき。歳月。にちがつ。→じつげつ
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