デジタル大辞泉
「極める」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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きわ・めるきはめる【極・窮・究】
- [ 1 ] 〘 他動詞 マ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]きは・む 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙- ① 極限にまで達せさせる。物事を果てまで押し詰める。この上なしの所まで至らせる。
- [初出の実例]「我がかく悲しびをきはめ、命尽きなんとしつるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
- 「高き位に登り、奢(おごり)をきはむるもあり」(出典:徒然草(1331頃)三八)
- ② 終わらせる。
- [初出の実例]「何ばかりの過ちにてか、この渚(なぎさ)に命をばきはめん」(出典:源氏物語(1001‐14頃)明石)
- ③ 残るところなく尽くす。
- (イ) 道理を尽くす。
- [初出の実例]「誠を尽くし理を究(キハメ)て仰せられければ、孔明辞するに詞(ことば)なくして」(出典:太平記(14C後)二〇)
- (ロ) 学問、芸道などの奥底まで探る。
- [初出の実例]「立破の源を究(キハメ)、字転の本を窮(きはめ)ずといふこと莫(な)し」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)一)
- ④ 定める。決める。決心する。決定する。
- [初出の実例]「呂蓮、いや私は此(この)呂蓮に極(キハメ)ませう」(出典:雲形本狂言・呂蓮(室町末‐近世初))
- 「某(それがし)義、京都在府に極(きはめ)られ、家中の仕置仕る故」(出典:浄瑠璃・伽羅先代萩(1785)九)
- [ 2 ] 〘 自動詞 マ行下一段活用 〙
[ 文語形 ]きは・む 〘 自動詞 マ行下二段活用 〙 =きわまる(極)- [初出の実例]「老いにきはめてすみかもなくなりて」(出典:檜垣嫗集(10C後か))
- 「抑新田殿の御一家の運爰(ここ)にて悉(ことごと)く極(キハ)め給はば、誰々も残らず討死すべけれ共」(出典:太平記(14C後)一八)
極めるの語誌
( 1 )主に漢文訓読系の語とされる。「源氏物語」にも用いられているが、かたい表現の中で数例見られるのみである。
( 2 )中古から「きはむ(きはめる)」自体に[ 二 ]のように自動詞用法も見えるが、他に自動詞形として「きはまる」が上代から存しており、副詞も「きはめて」と「きはまりて」とが対応している。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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