ぼろぼろ

精選版 日本国語大辞典 「ぼろぼろ」の意味・読み・例文・類語

ぼろ‐ぼろ

[1] 〘副〙 (「と」を伴って用いることもある)
① くだけた物や粒状の物が激しくこぼれ落ちるさまを表わす語。
※続無名抄(1680)下「世話字尽〈略〉暮露暮露(ボロボロ)
② 涙が激しくこぼれ落ちるさまを表わす語。
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前「老婢は忽ち点々(ボロボロ)と涙を零した」
③ 破れているさまを表わす語。〔日葡辞書(1603‐04)〕
[2] 〘形動〙
① 物がひどくこわれているさま。また、衣服などがひどく破れているさま。転じて、心身が疲れきっているさま。
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一「衣服襤褸(ランル)(〈注〉ボロボロニヤブレル)なりしが」
水分が不足で粘りけがなかったり、ばらばらになったりしているさま。
※土(1910)〈長塚節〉一八「寧ろ粗剛(こは)いぼろぼろな飯よりも」

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デジタル大辞泉 「ぼろぼろ」の意味・読み・例文・類語

ぼろ‐ぼろ

[副](スル)
粒状の物がこぼれ落ちるさま。「飯粒ぼろぼろ(と)こぼす」「大粒の涙をぼろぼろ(と)こぼす」
もろく崩れたり、砕けたりするさま。「この岩はすぐぼろぼろ(と)砕ける」
水分や粘りけがなく、ばらばらになっているさま。「ぼろぼろ(と)した冷や飯」
知られていなかった事実が次々と表に出るさま。「余罪ぼろぼろ出てくる」
[形動]
ひどくいたんでいるさま。「ぼろぼろな本」「ぼろぼろ社屋
水分がなく、ばらばらであるさま。「乾いてぼろぼろになったパン
心身とも疲れきっているさま。「身も心もぼろぼろだ」
アクセントロボロ、はボロボロ
[類語]1ほろほろぽろぽろぽたぽたぽとぽとぼたぼたぼとぼとたらたらだらだらはらはらぽつぽつぱらぱらばらばらぽろりほたほたぽつりぽつりぽつりぽつんはらりぱらりほろりぽたりどくどくたらりちょろちょろちょろりとくとくしたたりだくだくぽとり滴る滴り落ちる垂らす垂れるこぼれるほとばしるあふれる1おんぼろよれよれがたがたぽんこつぼろい老朽化ほこりっぽい汚いむさくるしい汚らしい小汚い薄汚いけがらわしいばっちいむさい泥まみれ不潔不浄不衛生不純尾籠びろう醜悪見苦しいみすぼらしい汚穢おわい汚れ物汚濁けがれよごれ汚点汚染くすむ薄汚れる汚れるすすけるあかじみるまみれる油じみる汗じみるみっともないはしたない醜態老醜無様ぶざま不格好醜いしゅうばばっちいしどけない目障りむさいじじむさいかっこ悪いださい野暮野暮ったい泥臭い不細工田舎臭い不体裁グロテスク不器量弊衣破帽だらしない醜怪浅ましい見辛い見るに見兼ねる

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百科事典マイペディア 「ぼろぼろ」の意味・わかりやすい解説

ぼろぼろ

鎌倉期から見え,中世の乞食身分の一つとされる。《徒然草》115段や版本《沙石集》巻8〜14,《とはずがたり》巻4などに記述される。図像としては《七十一番職人歌合》の〈暮露(ぼろ)〉がよく知られている。髪をのばし,紙衣に黒袴足駄を履き,傘や棒などを持つ姿で,《一遍聖絵》《遊行上人縁起絵》《源誓上人絵伝》などの絵巻にも見える。また室町時代物語に《暮露々々のさうし》がある。近世以降尺八を持つ薦僧(こもそう)(虚無僧)と混同されたが,別種と考えるべきものである。

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