洞雲寺(読み)どううんじ

日本歴史地名大系 「洞雲寺」の解説

洞雲寺
どううんじ

[現在地名]泉市山の寺二丁目

標高一一〇メートルほどの段丘上にあり、北は丘陵地が続くが、南東は開けて眺望がよい。竜門山と号し、本尊毘盧遮那仏、曹洞宗。通称山の寺やまのてら。「封内名蹟志」に「小松帝の御宇、釈祥山開基也。往時僧房二十四宇有。其後荒廃して今存する処纔に九区なり」とあり、所在地の景観を「其地たるや、峰回り路転じて幽寂莫として、密村寺門に聳え細径空院に入る。古杉喬松客稀にして苔深く、惟鳥声山静にして、渓音の響長しなえなるを聞のみなり。残僧有て旧時を説く時は、感慨を発し去るに忍びざるの地なり」と記す。

「封内風土記」は次のように開山伝説とその後の経緯を記す。


洞雲寺
とううんじ

[現在地名]大野市清滝

いぬ山の南東麓にある。大竜山と号し、曹洞宗。本尊釈迦如来。開山は薩摩国日置ひおき市来いちき(現鹿児島県市来町)金鐘こんしよう寺四世元勅(康正元年没)とされる。元勅は享徳三年(一四五四)能登総持そうじ寺の住持となったが、翌年大野おおの羽丹生はにう縫原ぬいはら(現福井県美山町)一宇を創建しており、当寺はこれに始まるという。開基は斯波氏の家臣二宮左近将監(法名洞雲寺殿積叟明慶)。文明年中(一四六九―八七)土橋どばしかめ(現大野市)山麓に移り、三世超岩青倫の時野口のぐち村、その後(大永七年以前という)現在地に移ったとされる。


洞雲寺
どううんじ

[現在地名]廿日市町佐方

曹洞宗、応竜山と号し、本尊は釈迦如来。長享元年(一四八七)桜尾さくらお城主であった厳島神主藤原教親・宗親父子が、周防国竜文りゆうもん(現徳山市)の僧金岡用兼を招いて創建。明応二年(一四九三)の厳島社神主宗親寄進状(当寺文書)に、「奉寄進洞雲寺領之事」として「此領地者元者円満寺并薬師寺分也田数坪付別紙在之除諸公役并段銭寄進申所実也、慈照院(足利義政)殿并常徳院(足利義尚)様御位牌立置申候、次二親法名徳叟、法名受慶之菩提所相定申候条、不可準諸寺家者也」とみえ、足利義政・義尚の位牌所、厳島神主藤原教親らの菩提所とされた。享禄年間(一五二八―三二)と推定される欠年二月二〇日付友田興藤下書(同文書)に「円満寺堤之前新堤被築、於成就者、為末代肝要存候」と記され、創建以前から当地にあった円満寺の堤前に新堤築造を進め、この頃潮留め築造による干拓が行われていたことが知られる。


洞雲寺
とううんじ

[現在地名]藤枝市藤枝五丁目

大谷おおや川の左岸、蓮華寺池れんげじいけ公園の南にある。龍池山国泰こくたい院と号し、曹洞宗。本尊は釈迦如来。永正七年(一五一〇)林叟りんそう(現焼津市)二世の賢仲繁哲の法嗣在天祖龍が中興開山となり創建したという。天正五年(一五七七)一〇月二九日、武田氏から某へ藤枝内の「遠雲寺分三貫文」などが与えられている(「武田家朱印状」甲州古文書)。同一八年当寺四世覚翁文等は豊臣秀吉から朱印四石五斗を与えられた(同年一二月二八日「豊臣秀吉社領安堵朱印状写」青山八幡宮文書など)。慶長五年(一六〇〇)には徳川家康から禁制を受け、以来歴代将軍から朱印が下された。


洞雲寺
どううんじ

[現在地名]牧丘町北原 上道

笛吹川の支流つつみ川に沿う山間地にある。金峰山と号し、曹洞宗。本尊は釈迦如来。かつては府中興因こういん(現甲府市)末。建久八年(一一九七)安田義定の曾孫西保義安の菩提を弔うために現在地より北方一〇余町の所に浄谷山安養あんよう寺と称する真言宗寺院として創建されたのが前身と伝える。旧地に安養寺の地名が残る。天正四年(一五七六)遠江入道は自らの牌所として蓬田よもぎだ(現長野県浅科村)のうち治部少輔分同寺分一八貫文と手作分一一貫六〇〇文を当寺に寄進し、武田信豊はこれを安堵している(同年二月一九日「武田信豊証文」寺蔵)。信豊は信濃小諸こもろの領主、遠江入道は望月遠江守信雅のこととされる。


洞雲寺
どううんじ

[現在地名]白川町和泉 田代

出村でむらにあり、大龍山と号し、曹洞宗。本尊は聖観音。開山は伝室梵的。もとは田代たしろの洞雲寺とよばれ、外山の山上にあったが、昭和三三年(一九五八)白川沿いの現在地に移転改築した。「濃州徇行記」に転載された由緒書によると、康正元年(一四五五)劫庵寂永という一老禅僧がこの山に登り、田代の地に草庵を結んだのが始まりで、深谷の岩間を開拓する貧しい老女が飲食の世話をした。


洞雲寺
とううんじ

[現在地名]神岡町船津

船津ふなつ朝浦あさうらの境、あり川沿いの中位河岸段丘中腹に位置する。補陀山と号し、曹洞宗。本尊釈迦如来。「飛州志」に「高山海蔵山雲龍寺末開山始祖利天玄説和尚開基檀越未詳」とある。天保年中(一八三〇―四四)の洞雲寺に関する河上文書(神岡町史)では、応永年間(一三九四―一四二八)江馬氏の守本尊観音菩薩霊場として創建され、古真言宗洞雲院と号したが、三木氏の飛騨統一後、江馬氏一族河上氏の菩提寺として再興された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

事典・日本の観光資源 「洞雲寺」の解説

洞雲寺

(宮城県仙台市泉区)
杜の都 わがまち緑の名所100選指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

デジタル大辞泉プラス 「洞雲寺」の解説

洞雲(とううん)寺

愛知県常滑市にある西山浄土宗の寺院。山号御嶽山。本尊は阿弥陀如来。1555年創建と伝わる。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

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