湯村温泉(読み)ユムラオンセン

デジタル大辞泉 「湯村温泉」の意味・読み・例文・類語

ゆむら‐おんせん〔‐ヲンセン〕【湯村温泉】

山梨県甲府市にある温泉泉質塩化物泉硫酸塩泉硫黄泉。北に昇仙峡がある。甲府湯村温泉。
兵庫県北西部、美方郡新温泉町にある温泉。泉質は炭酸水素塩泉など。
島根県雲南市にある温泉。泉質は単純温泉。出雲湯村温泉。山陰湯村温泉。

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精選版 日本国語大辞典 「湯村温泉」の意味・読み・例文・類語

ゆむら‐おんせん‥ヲンセン【湯村温泉】

  1. [ 一 ] 山梨県甲府市湯村にある温泉。含石膏食塩泉。
  2. [ 二 ] 兵庫県美方郡温泉町にある温泉。アルカリ泉
  3. [ 三 ] 島根県雲南市木次町湯村にある温泉。泉質は単純泉

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日本歴史地名大系 「湯村温泉」の解説

湯村温泉
ゆむらおんせん

[現在地名]甲府市湯村三丁目

湯村山の西麓に湧出した温泉で、この地を含む中世の庄名により志磨しまノ湯・しまノ湯の名が江戸時代を通して長く用いられた。温泉の由来は弘法大師が諸国教化の際に当地で地蔵菩薩の降臨を祈願し、また諸病治療のために錫杖で温泉を掘ったのに始まると伝え、あるいは傷ついた鷲がしばしば飛来した茅原の中に村人が泉源を見出したものともいう。永正八年(一五一一)一一月一八日の宗長書状(尊経閣古文書纂所収飯尾文書)に「去八月甲斐国塩部と申候、湯治仕候」とみえるのは当地であろうか。「甲陽軍鑑」によれば、天文一七年(一五四八)七月一九日信濃塩尻峠の合戦で二ヵ所の傷を負った武田晴信は、翌二〇日に帰陣すると「直ニしまの湯ニ御湯治、浅手故十日之内外ニ御平癒也」とある。「高白斎記」の大永三年(一五二三)四月二四日の条にしまの地名がみえ、慶長六年(一六〇一)検地帳(県立図書館蔵)には村名が湯島村、村内に湯之前ゆのまえの地名が示されているように、遅くとも戦国期には湯の存在していたことが考えられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「湯村温泉」の意味・わかりやすい解説

湯村温泉(島根県)
ゆむらおんせん

島根県東部、雲南(うんなん)市木次(きすき)町湯村にある温泉。正式名称は出雲湯村温泉。斐伊(ひい)川の上流にある山間の湯で、『出雲国風土記(いずものくにふどき)』に「(漆仁(しつに)川の)川辺に薬湯あり」と記される。泉質は無色透明の単純温泉。付近には「八岐大蛇(やまたのおろち)」伝説地の天ヶ淵(あまがふち)などがある。JR木次線木次駅からバスの便がある。

[野本晃史]


湯村温泉(甲府市)
ゆむらおんせん

甲府市の西郊、湯川沿いにある温泉。弘法(こうぼう)大師が開いたという伝説がある。泉質は塩化物泉。昭和初期までは湯治場にすぎなかったが、その後、昇仙(しょうせん)峡に近く、また甲府市街にも近いため観光地に発展した。近年は甲府の市街がここまで延び、市街地の温泉に化してしまっている。昇仙峡探勝の基地でもある。塩沢寺(えんたくじ)には厄除(やくよけ)地蔵があり、2月に行われる例祭は有名である。JR中央本線甲府駅からバス15分。

横田忠夫


湯村温泉(兵庫県)
ゆむらおんせん

兵庫県北西部、美方(みかた)郡新温泉町(しんおんせんちょう)にある山陰の名湯の一つ。平安初期に慈覚大師により開かれたという。断層線沿いに湧出(ゆうしゅつ)する原泉は荒湯(あらゆ)といい、無色透明・無味無臭の炭酸水素塩泉。98℃の豊富な湯が春来(はるき)川に流れ、湯槽では野菜や卵をゆでたり、洗濯などが行われる情緒豊かな温泉である。春来川の両岸に旅館、土産(みやげ)物店などが並ぶ。JR山陰本線浜坂駅からバスの便がある。

[二木敏篤]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「湯村温泉」の意味・わかりやすい解説

湯村温泉
ゆむらおんせん

兵庫県北西部,新温泉町の春来川沿いに湧出する温泉。単純泉,放射能泉,重曹泉,食塩泉で,泉温は 58~98℃。湯量は豊富。高温のため源泉は荒湯と呼ばれ,日常生活にも利用される。貞観2 (860) 年,慈覚大師 (→円仁 ) によって発見されたと伝えられる古い温泉で,氷ノ山後山那岐山国定公園に属する。

湯村温泉
ゆむらおんせん

山梨県中央部,甲府市街地の北郊にある温泉。泉質は単純泉,食塩泉。泉温は 40~50℃で湯量は豊富。リウマチ,貧血症,やけどなどに効能がある。近くに荒川が浸食した御岳昇仙峡 (みたけしょうせんきょう) があり,一体となって発展してきた。

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