片腹痛い(読み)カタハライタイ

デジタル大辞泉 「片腹痛い」の意味・読み・例文・類語

かたはら‐いた・い【片腹痛い】

[形][文]かたはらいた・し[ク]《「かたわら痛し」の歴史的仮名遣い「かたはら」を「片腹」と解したところから生まれた語》他人が実力以上のことを行っているのが、こっけいで苦々しく感じるさま。笑止千万だ。「見え透いたうそで―・い」→かたわら痛し
[類語]笑止千万ばかばかしい馬鹿らしい馬鹿臭い詰まらない馬鹿愚か愚かしい阿呆らしい阿呆臭い下らない馬鹿げる愚劣無思慮ぶしりょ無考え浅はか浅薄せんぱく軽はずみ軽率笑い事笑止噴飯物噴飯笑い大笑い高笑い哄笑爆笑呵呵大笑抱腹絶倒笑い崩れる笑いける笑い転げる吹き出す腹の皮をよじ腹の皮を腹を抱える御中おなかを抱えるおとがいを解く愚にも付かぬへそで茶を沸かすへそ茶聞いてあきれるちゃんちゃらおかしい

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精選版 日本国語大辞典 「片腹痛い」の意味・読み・例文・類語

かたはら‐いた・い【片腹痛】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]かたはらいた・し 〘 形容詞ク活用 〙
  2. かたわらいたい(傍痛)
    1. [初出の実例]「式部卿宮可定頼朝臣云々、左府大怒、吐無量悪言、言及主上、聴者寒心、一有事縁、一為中宮宮司云々、極有片腹痛御詞云々」(出典:小右記‐長和三年(1014)一二月八日)
  3. かたわらいたい(傍痛)
    1. [初出の実例]「此日、男方結縁経供養、講師忠玄説法、与女房一品経玄隔、太片腹痛歟」(出典:玉葉和歌集‐養和二年(1182)正月二〇日)
    2. 「十蔵からからとわらひ、其いましめにあひながら某をつかまんとは、うでなしのふりずんばいかたはらいたし事おかし」(出典:浄瑠璃・出世景清(1685)四)

片腹痛いの語誌

「かたわらいたし(傍痛)」は、古くは発音、表記とも「かたはらいたし」であったが、これが「片腹痛し」と意識され、一般に語中の「は」が「わ」に変化した平安末期ごろ以降も「かたはら」の発音を残したもの。

片腹痛いの派生語

かたはらいた‐さ
  1. 〘 名詞 〙

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