(読み)サイ

デジタル大辞泉 「犀」の意味・読み・例文・類語

さい【犀】[書名・戯曲]

文芸雑誌。昭和39年(1964)に立原正秋高井有一加賀乙彦らが創刊。後に後藤明生が参加。昭和42年(1967)終刊。
《原題、〈フランス〉Rhinocérosイヨネスコの戯曲。著者が青年時代にルーマニアで体験したファシズムの台頭をモチーフとする不条理演劇。1959年、ドイツにて初演。フランスでは1960年、バローの演出・主演で上演され評判となった。

さい【犀】[漢字項目]

人名用漢字] [音]サイ(呉) セイ(漢)
獣の名。さい。「犀角霊犀
するどい。「犀利
[難読]木犀もくせい

さい【×犀】

奇蹄きてい目サイ科の哺乳類の総称。陸上では象に次ぐ巨獣で、皮膚は厚く、毛はほとんどない。鼻先にある1本または2本の角は皮膚が角質化したもので、漢方では珍重される。南アジア東南アジアアフリカに5種が分布、いずれも国際保護動物
[補説]作品別項。→

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精選版 日本国語大辞典 「犀」の意味・読み・例文・類語

さい【犀】

  1. [ 1 ] サイ科に属する哺乳類の総称。体は巨大で、体高一・二~二メートル。頭が大きく四肢は太いが比較的短い。鼻の上に一ないし二本の角質でできた角(つの)があり、足に三個のひづめがある。体色はふつう灰褐色で、皮膚は厚く毛はないか、あるいはほとんどない。熱帯湿地草原にすみ草食性。アフリカに角が二本のクロサイシロサイ、インドに角が一本のインドサイなどが分布。インドサイの角は犀角(さいかく)と呼ばれ解熱などに用いられる。〔十巻本和名抄(934頃)〕
  2. [ 2 ] 謡曲。四番目物。廃曲。作者不詳。別名犀川」「和泉小次郎」。和泉小次郎が頼朝の命を受けて信濃国犀川(さいがわ)に行き、犀を格闘の末に殺してその角を得る。

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普及版 字通 「犀」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 12画

[字音] サイ
[字訓] かたい・するどい

[説文解字]
[金文]

[字形] 会意
尾+牛。〔説文〕二上に「南徼(なんけう)外の牛なり。一角はに在り、一角は頂に在り。豕(ぶた)に似たり」とし、尾(び)声とするが、声が異なる。犀の尾に特徴があるともみえず、字説をえがたい字である。

[訓義]
1. さい。
2. さいかく。
3. かたい、するどい。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕犀 は西(さい)、此のは在(ざい)なり 〔名義抄〕犀 此のはサイ 〔立〕犀 ウシシマタリ・シリゾク・カホル・ツヨシ

[声系]
〔説文〕に犀声として遲(遅)・の三字を収めるが、犀(ち)の声義との関係は明らかでない。金文のようにに従う字があり、遲(ち)声の字は、あるいはに従う字であろう。〔説文〕二下に遲の籀文(ちゆうぶん)としてを録している。

[熟語]
犀囲犀鋭・犀火犀鎧・犀角・犀革・犀函・犀管・犀牛犀渠・犀軍・犀軒・犀甲・犀骨・犀札・犀・犀軸・犀車・犀舟犀楯・犀照・犀犀銭・犀象・犀卒・犀帯・犀・犀・犀弩・犀盤・犀皮・犀・犀表・犀布・犀兵・犀僕・犀目・犀紋・犀利・犀櫓
[下接語]
犀・角犀・函犀・燬犀・巨犀・犀・犀・山犀・犀・神犀・犀・水犀・石犀・象犀・大犀・断犀・通犀・白犀・伏犀・文犀・碧犀・木犀・野犀・霊犀・裂犀

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「犀」の意味・わかりやすい解説


さい
Rhinocéros

フランスの戯曲。3幕4場,E.イヨネスコ作。 1959年出版。同年,ジュッセルドルフでストルー演出により初演。フランスでは 60年,パリのオデオン座で J.バロー演出により初演。イヨネスコは D.ルージュモンがナチスの大会で経験したヒトラー歓迎の集団ヒステリー症状の話を聞き,それに着想を得て 57年,短編小説『犀』を発表し,翌 58年戯曲に完成した。平凡な田舎町に突然犀が現れるが,実はそれが人間の変身したものであることがわかり,やがて,主人公ベランジェを除くすべての住民が犀化してしまうという寓話的喜劇的な装いをとりながら,全体主義の恐怖を訴え,人間の条件の不条理性を示している。脈絡を欠いたせりふや限りなく加速する犀の増殖などに初期作品との共通点はみられるが,イヨネスコの転機を示す作品。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「犀」の解説

犀 (サイ)

動物。サイ科に属する陸上動物の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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