出芽(読み)シュツガ

デジタル大辞泉 「出芽」の意味・読み・例文・類語

しゅつ‐が【出芽】

[名](スル)
植物が芽を出すこと。芽が出ること。発芽。「春先に一斉に出芽する」
芽生生殖がせいせいしょく
植物体の軸に分岐が生じ、新しい軸の原基が形成されること。
細胞膜核膜表面に芽状の突起ができること。成熟したウイルス細胞外小胞細胞外に放出されるときに形成される。
[類語]芽生える芽吹く芽ぐむ萌える萌え出る萌え立つ角ぐむ芽差す・芽を吹く・芽が出る芽を出す兆す芽出し芽立ち芽生え発芽発根萌芽実生みしょう

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精選版 日本国語大辞典 「出芽」の意味・読み・例文・類語

しゅつ‐が【出芽】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 植物の芽が出ること。めぐむこと。また、その芽。
  3. 無性生殖一つ生物体または細胞の一部に生じた小突起が成長して新個体となること。動物ではカイメン・ヒドラ・ホヤなどに顕著で、植物ではヤマノイモむかごベゴニアの葉上の不定芽などをさす。出芽法。芽生(がせい)生殖
  4. 植物体の軸に分岐が生じ、新しい軸の原基が形成されること。

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改訂新版 世界大百科事典 「出芽」の意味・わかりやすい解説

出芽 (しゅつが)
budding

芽生生殖bud reproductionともいう。無性生殖の一つの型で,母体の一部が表面から突出し,突出部が発達して新個体となる増殖の方法。酵母では,細胞の一端に小突起を生じ,母細胞の核は二分してその一つが突起部に移って芽が完成される。芽はすぐに母体から離れる場合と,母体に連結した状態で,それがまた芽を出す場合があり,後者の場合には全体が鎖状になる。後生動物では海綿動物腔腸動物に多くみられ,芽から発達した新個体が母体から分離しなければ群体が形成される。なお,一般的な意味では,出芽は植物体に(軸の原基)が分出することを指す。
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百科事典マイペディア 「出芽」の意味・わかりやすい解説

出芽【しゅつが】

芽生生殖とも。生物の無性生殖の一つの様式。単細胞生物およびカイメンや腔腸動物に見られる。もとは母体の体壁上に小突起(芽体)を生じ,それが発達して新個体となるもの。新生個体は母体から離れる場合と連結したままの場合とがあるが,後者では群体が形成される。なお一般的には高等植物における芽の分出をいう。
→関連項目クラゲ(水母)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「出芽」の意味・わかりやすい解説

出芽
しゅつが
budding

(1) 小単細胞生物の無性的な生殖の一つの型。ある個体細胞から突起を生じ,それが次第に大きくなって,ある程度の大きさに達したとき,本体から離れて新個体となるもの。酵母菌類および有殻アメーバ類にみられる。 (2) 下等の多細胞動物において個体の一部に芽体という小突起を生じ,それが原個体と同様な形に成長して独立すること。 (3) 植物体において軸から分岐が起り,新しい軸の原基を生じて生長すること。この芽を切り離せば無性的な生殖となる。

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世界大百科事典(旧版)内の出芽の言及

【脳】より

…しかし,あるニューロンが消失したことによって生じるそのニューロンの軸索終末の〈空き家〉は,付近にある他のニューロンの軸索終末からの新たな分枝によって占められることが多い。このような現象(出芽sprouting)は成熟した脳でも観察されている。
[神経核――中枢神経系におけるニューロンの集合]
 中枢神経系(図7)の情報処理機能は,シナプスによって機能的に連絡するニューロンのネットワークによって営まれる。…

※「出芽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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